
「第2次トランプ政権は、今回中国を抑え込めなければ、今後打つ手がなくなると考えている。中国の覇権挑戦がそれほど深刻なレベルに達しているということだ。米政府が長年の概念である在韓米軍の戦略的柔軟性を改めて強調するのも、このような背景がある」
韓米同盟財団の会長を務める任浩永(イム・ホヨン)元韓米連合司令部副司令官(予備役陸軍大将・写真)は、米政府高官が連日強調する在韓米軍の戦略的柔軟性強化による役割調整論の背景について、最近東亜(トンア)日報との電話インタビューでこのように語った。
実際、韓米は2003年から開始された「未来韓米同盟政策構想」などを通じて、在韓米軍の役割再調整に関する協議を進めてきた。同年11月の韓米安全保障協議会(SCM)でも、「在韓米軍の戦略的柔軟性が継続的に重要であることを確認した」と発表された。在韓米軍が北朝鮮に対する抑止戦力にとどまらず、北東アジアの機動軍としてその役割を拡大することについて、両国はすでに一定の合意に達していた。
任氏は、「韓米はこれまで戦略的柔軟性の必要性と妥当性を中心に議論してきたが、具体的にこれを北東アジア地域を含むインド太平洋地域でどのように実現するかについては合意していなかった」とし、「米国が最近この問題を強調し続けるのは、覇権をめぐる米中競争が最も激化した今こそ、在韓米軍の戦略的柔軟性拡大を具体的に実現する時だということだ」と強調した。
任氏は特に、中国の習近平国家主席の4期目が2027年に決定されるため、それまでに中国が台湾侵攻などを通じて長期政権の正当性を確保しようとする可能性が高いと見ている。任氏は、「米中が鋭く対立する台湾は、米軍にとっては韓半島と同じく米第7艦隊の作戦地域だ」とし、「台湾を含む域内で同時多発的に作戦を遂行しなければならない状況が発生した場合、米国が在韓米軍を絶対に活用せず、本国の兵力を投入しようとするだろうか。どの指揮官がそのような決定をするだろうか」と問い返した。米中の対立が頂点に達した現在の状況では、在韓米軍が北東アジア、さらにはインド太平洋地域の多目的機動軍の役割を拡大することは、軍事的な有効性の観点から見ても当然の流れだという説明だ。
任氏は、在韓米軍の戦略的柔軟性拡大が避けられない流れであるならば、新政権は韓米同盟の全体的な概念を再定義し、持続可能な同盟にしなければならないと述べた。任氏は、「1953年の韓米相互防衛条約締結後、韓米同盟は『相互性』ではなく、米軍が対北朝鮮抑止のための防衛を提供し、韓国はその恩恵を受けるという一方的な構造で運営されてきた」とし、「今や韓国も世界5位の軍事強国になったため、在韓米軍駐留経費の負担増額を含め、中国牽制のための戦略的柔軟性拡大など米国の要求を積極的に受け入れる一方、米国の対韓拡大抑止の強化など、北朝鮮の核・ミサイル対応策をより確実に確保する形で、韓米同盟を両国に利益をもたらす真の『相互防衛』の概念へと再構築するべきだ」と強調した。
孫孝珠 hjson@donga.com






