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北朝鮮、「空の指揮所」早期警戒管制機を初公開…金正恩氏が直接搭乗

北朝鮮、「空の指揮所」早期警戒管制機を初公開…金正恩氏が直接搭乗

Posted March. 28, 2025 09:24,   

Updated March. 28, 2025 09:24


北朝鮮が、「北朝鮮版ピースアイ」と呼ばれる空中早期警戒管制機を初めて公開した。北朝鮮が官営メディアを通じて「空の指揮所」と呼ばれる空中早期警戒管制機を公開したのは初めてだ。当該管制機がロシアの支援を受けた状況などを韓米情報当局が追跡していたとされ、北朝鮮がウクライナ戦争支援で得た見返りの可能性があるという分析が出ている。

北朝鮮の朝鮮中央通信は27日、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が25、26日、無人航空技術連合体と探知電子戦研究集団の国防科学研究事業を指導したと報じた。公開された写真の中の正恩氏は、空中管制機に直接搭乗し、内部で軍幹部らに指示を出している。正恩氏が搭乗した空中管制機は、ロシアの輸送機イリューシン(Il)-76に、レーダーアンテナの防水・防塵用カバーである「レドーム」が取り付けられた形状だ。写真には、韓半島の一部を拡大した地図が表示された内部画面も写っている。

空中早期警戒管制機は、空中作戦と地上作戦をリアルタイムで統制・指揮する指揮所の役割を果たす。韓国空軍はE-737ピースアイを現在4機運用しており、4機を追加導入する予定だ。一部からは、韓国が絶対的優位を持つ空中戦で均衡が崩れる可能性があるという懸念も出ているが、北朝鮮の能力はまだ初歩的なレベルにとどまっているというのが軍当局の分析だ。

韓国軍合同参謀本部は、機体自体は北朝鮮が保有していたものを改良したと見ているが、内部装置や部品などはロシアから提供された可能性があると指摘した。韓国軍合同参謀本部のイ・ソンジュン広報室長は同日、記者会見で、「非常に鈍重で、迎撃にも脆弱だと判断している」とし、「完成段階にあるため、金正恩総書記に公開したのではないか」と述べた。

正恩氏は、自爆無人機が地上の戦車などを攻撃する場面や、米国のグローバルホーク(RQ-4)と外観が似た無人偵察機の飛行の様子も視察し、「武力現代化建設において、無人装備と人工知能技術分野は最優先的に重視し、発展させるべき部門だ」と強調した。無人機で大きな被害を受けたウクライナ戦争への派兵経験を無人機開発に活用すべきという意味とみられる。

一方、韓国合同参謀本部は、北朝鮮が軍事境界線(MDL)付近で地雷埋設作業と障壁補強作業を開始するなど、冬季訓練などを理由に中断していた南北分離作業を再開したと明らかにした。また、北朝鮮が昨年11月から撤去を開始した開城(へソン)工業団地への電力供給用送電塔のうち11基は撤去したが、MDL以北の最初の送電塔は撤去しなかったと明らかにした。北朝鮮は先月、韓国の監視を目的に、1~2キロほど監視が可能なCCTV(監視カメラ)をこの送電塔に設置したという。韓国合同参謀本部は、北朝鮮が昨年ロシアに約1万1千人を派兵したのに続き、今年1、2月に3千人余りを追加派兵したと明らかにした。


申나리 journari@donga.com