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憲法裁、尹大統領の宣告をこれ以上遅らせる理由はない

憲法裁、尹大統領の宣告をこれ以上遅らせる理由はない

Posted March. 25, 2025 08:59,   

Updated March. 25, 2025 08:59


憲法裁判所は24日、韓悳洙(ハン・ドクス)首相の弾劾訴追案を、棄却5、却下2、認容1の意見で棄却した。憲法裁は、大統領権限代行だった韓氏を国会が過半数の賛成で弾劾訴追したのは適法だが、韓氏を罷免するほどの違憲・違法行為はなかったと判断した。今や、「12・3戒厳」事態の本丸である尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領弾劾審判の宣告を急ぐべきだという声が高まっている。憲法裁が「最優先で処理する」としていた大統領弾劾事件の宣告日程すら決められず、国論分裂と社会的葛藤がますます先鋭化しているからだ。

先月25日に大統領弾劾審判の弁論が終結し、3月中旬までには決定が出るとの見方が多かった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)、朴槿恵(パク・クンヘ)両元大統領の弾劾事件では、弁論終結後2週間以内に宣告が行われたからだ。しかし、弁論が終結して1ヵ月が経ったが、宣告がいつ出るかは不透明だ。さらに、憲法裁は韓氏の審判で、非常戒厳の違憲・違法性、弾劾訴追事由における内乱罪撤回など、尹大統領と重複する争点に対する判断を示さなかった。韓氏の決定文を見れば、尹大統領弾劾審判の結果を推測できるだろうという一部の予想も外れたことになる。

尹大統領に対する宣告が遅れる間に、ソウル光化門(クァンファムン)や汝矣島(ヨウィド)をはじめ、全国各地で大規模な弾劾賛否集会が開かれている。憲法裁周辺では、尹大統領の復帰を求める支持者と罷免を求める市民の間で罵声が飛び交い、もみ合いとなり、一触即発の緊張感が漂っている。そこに全国農民会総連盟のトラクターデモ予告、一部の極右ユーチューバーによる憲法裁判官への脅迫発言などで対立の度合いはさらに高まっている。与野党は、「大統領弾劾が棄却されれば国が滅びる」、「反国家勢力との戦争を宣言する」など激しい発言で国論分裂を煽っている。

これまで憲法裁は11回にわたる弁論を通じて、戒厳関係者16人の証言を聞き、捜査機関の調書も証拠として認めるとした。憲法裁判官らが判断を下す資料は十分だという意味だ。大統領弾劾案を憲法裁が受け付けてから100日以上が経過した。弾劾審判の宣告が遅れれば遅れるほど、国論はさらに分裂し、憲法裁が政界の顔色をうかがっているのではないかという疑念は大きくなるだろう。事案が重大かつ敏感であればあるほど、憲法と法律、証拠に基づき厳正に判断することが正道だ。憲法裁がこれ以上宣告を遅らせる理由はなく、そうすべきでもない。