
「伯父(ソン・モンギュ)が書いた文書が我が家に一包みはあったそうです」
抗日独立運動家の宋夢奎(ソン・モンギュ)さん(1917~1945)の甥ソン・シヨンさん(56)は4日、東亜(トンア)日報との電話インタビューでこのように話した。ジヨンさんの父は詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ)のいとこである宋夢奎さんの14歳離れた弟のソン・ウギュ(1931~2008)だ。咸鏡北道(ハムギョンプクト)に住んでいたジヨンさんは、北朝鮮を脱出して2007年に韓国に来た。彼は「一束はある伯父の文書を祖父がたんすの奥深くに隠していた」とし、「だが、何度も家宅捜索を受けるうちに結局、燃やしてなくなった」と話した。
「もちろん悪いことは書いてないけど、北朝鮮では鼻にかければ鼻飾りですからね。伯父が『もし何か間違いが起きて捕まったら子供たちの将来に害になる』と思って燃やしたと聞きました」
ジヨンさんは、中国で2度も北朝鮮に送還されるなど3年間をさまよう中でも、宋夢奎さんの中学生時代のアルバムと写真を大事にしていた。幼い頃、祖父から早く亡くなった伯父の話をたくさん聞いたという。ジヨンさんは、「伯父は賢くて話も上手だったという」とし、「日本に留学しようとしたときも『承諾をしなければ自決する。日本を知ってこそ日本に勝てるのではないか』と祖父を説得したと聞いた」と話した。
ジヨンさnは、北朝鮮では学生時代に尹東柱の詩を学んだことがないという。中国に行って、尹東柱の妹、尹惠媛(ユン・ヘウォン)さんが詩集を送ってくれて初めて読んだ。
「『星を数える夜』をその時初めて読んで『どうしてこんなに美しい詩が書けるのか』と思いました」
ジヨンさんは7日、伯父の宋夢奎さん先生の死去80周忌を迎え、ソウル西大門区(ソデムング)にある延世(ヨンセ)大学の尹東柱記念館で開かれる献花式に出席する予定だ。
キム・ソミン記者 somin@donga.com