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米国で、米国のやり方でトランプ氏と会わなければならない

米国で、米国のやり方でトランプ氏と会わなければならない

Posted March. 05, 2025 08:38,   

Updated March. 05, 2025 08:38


銃声がないだけで、トランプ米大統領が始めた戦争、「各自図生(各自が生きることを図る)」のニューノーマルが幕を上げた。先月28日(現地時間)、全世界に中継されたトランプ・ゼレンスキー会談で、トランプ氏は自身が世界平和を守るリーダーではなく、自国の納税者のためにテーブルに座った交渉家であることを赤裸々にあらわした。

韓国も残された時間はわずかだ。先月、トランプ氏は「半導体・医薬品に対する関税も検討中」とし、「25%かそれ以上になるだろう」と宣言した。米国は1997年の世界貿易機関(WTO)の情報技術協定(ITA)以来、半導体に関税を課していない。28年ぶりに半導体をめぐって刀を抜いたのだ。

その脅威のレベルを測るために時間を遡ってみる。80年代、米国主導の半導体市場で徐々に成長した日本の半導体は、85年を境に米国を脅かし始めた。そこでレーガン大統領(当時)は、自国の半導体産業協会の請願を口実に、大々的なダンピング調査に着手した。86年、屈辱的な「日米半導体協定」が締結された。協定を口実に輸出制限と関税圧力が続き、日本の半導体は徐々に衰退していった。その隙を突いて、米国の支援を背に、新興半導体技術国として浮上した国が韓国だ。

再び2025年のトランプ氏に戻ろう。ほぼすべての産業分野で刀を振り回しているが、やはり韓国にとって最も脅威なのは半導体だ。その間、対米輸出依存度も大きくなった。韓国の半導体輸出全体のうち、米国と台湾(TSMCを経由して米国に輸出)の割合は20年の13.9%から昨年(1~11月)は21.7%に上昇した。一方、中国への割合は40.2%から33.3%に低下した。

これまで輸出窓口だった中国は今後もさらに門戸が閉ざされるだろう。トランプ氏は自国の先端企業の中国への輸出も阻止し、さらに中国と取引関係のある企業への投資まで厳しく審査するという。何よりも、中国半導体の自力崛起が著しい。

39年前の日本と今の韓国が違う点は一つだ。1986年当時、米半導体産業協会は日本の半導体をつかまえてほしいと政府に請願した。今、米国の半導体業界は「私たちまで死ぬ」と制裁を拒んでいる。韓国がすでにグローバルサプライチェーンに密接に絡み合っており、NVIDIAに不可欠で、アップルに不可欠な、代替不可能なHBMとDRAMを握っているためだ。

トランプ氏が始めた「各自図生」のニューノーマルは、欧州を経てアジア太平洋まで広がっていくだろう。当面、ドイツでも右派が政権に返り咲き、極右政党が第2党になった。ゼレンスキー氏の屈辱を見て、欧州も緊張している。上に北朝鮮、さらに上に中国と対し、韓米同盟と技術力だけに頼ってきた韓国は、主語を変えれば同じ状況になる。

企業のトランプ対応を諮問するある法律事務所関係者は、「TikTokの事例のように、結局、米国で米国のやり方でトランプ氏に代替不可能で交渉不可能な存在にならなければならない」と指摘した。企業が大声で「世界で私たちだけがそうすることはできない」と訴える規制さえ、世論の動向を見ながら右に行ったり左に行ったりしている場合ではない。今、トランプ氏に対するためにも、半導体や自動車、造船など韓国の武器を磨くことに国論を結集しなければならない。歴史は繰り返されるが、強小国の生存法は常に同じだ。