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イエス役に黒人女優、ブロードウェイミュージカルで「型破り」のキャスティング

イエス役に黒人女優、ブロードウェイミュージカルで「型破り」のキャスティング

Posted February. 21, 2025 09:56,   

Updated February. 21, 2025 09:56

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最近、映画「ウィキッド」で主人公の緑の魔女「エルファバ」を演じた英国の黒人女性俳優シンシア・エリヴォが今年8月、ニューヨーク・ブロードウェイで上演されるミュージカル「ジーザス・クライスト・スーパースター」の主人公イエス役にキャスティングされたと英紙デイリーテレグラフなどが19日報じた。「黒人女性イエス」を巡り議論が白熱している中、トランプ米大統領の就任後から米公演界でも反「DEI(多様性・公平性・包摂性)」の圧力が強まっているという評価が出ている。トランプ大統領は少数者保護のために導入されたDEIが「能力主義を損ねる」として連邦政府内のDEI政策全て廃棄するよう指示した。

イエスの生涯最後の一週間を扱ったミュージカルは、それぞれ有名作曲家と作詞家であるアンドリュー・ロイド・ウェバー氏とティム・ライス氏が共同製作した。1971年、ブロードウェイで初演され、今も多くのファンを集めている。

黒人女性が同ミュージカルの主役を演じるのは初めて。ファンの間では「中東系白人男性というイエスの実状を歪曲した」という主張と、「白人男性だけがイエス役を演じるべきか」という反論が対抗する。トランプ氏の最側近で政府効率省(DOGE)を率いるあるイーロン・マスク・テスラ最高経営責任者(CEO)はXに、「他の宗教にこんなことをすると想像してみろ」と書き、黒人女性のイエス役は受け入れ難いとの立場を示した。

他の作品でも過去に白人が演じた役を非白人が演じることをめぐる議論はあった。ディズニーがまもなく公開する「白雪姫」の実写映画の主人公は、母親がコロンビア出身のラテン系女性レイチェル・ゼグラーだ。2023年に実写映画として公開されたディズニーの「リトル・マーメイド」の主役も黒人女性のハリー・ベイリーが演じた。両作品とも原作キャラクターのイメージとかなりかけ離れた俳優を抜擢したという評価を受け、少なからぬ議論を招いた。


崔智善 aurinko@donga.com