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「鷄肋」になってしまった外国人家事管理士事業

「鷄肋」になってしまった外国人家事管理士事業

Posted February. 14, 2025 08:52,   

Updated February. 14, 2025 08:52


「安価な家事・育児サービスは持続可能ではない」

昨年、ソウル市の外国人家事管理士試行事業の直後、フィリピン人家事管理士2人が勤務地を離脱した際、専門家が指摘した言葉だ。5ヵ月が経った。雇用労働部とソウル市が共に実施した試行事業が終了日を2週間後に控えた中、やはり予想された費用の上昇が予告され、事業の実効性に対する議論が再燃した。

当初、「高い家事・育児サービス費用が少子化の大きな原因」として外国人家事管理士の導入を推進した時から、この事業の焦点がコストに合わせられるべきでないと考えていた。家事・育児サービス費用が高いのは、親の長時間の労働により家事・育児サービス提供の時間が長くなるためであって、家事管理士の人件費が高いからではない。実際、国内の家事管理士の賃金をはじめとする処遇は劣悪だ。「安価な外国人家事管理士」は、国内家事管理士の処遇をさらに悪化させる可能性が高かった。

しかし、政府は共働き家庭の労働時間を減らし、時差出勤制など柔軟な労働を拡大する労働改革には手をつけず、突然、外国から家事管理士を連れて来ようとした。最低賃金より低い賃金を与えるという国際的な労働常識に反する計画まで打ち出した。結局、政府の野心的な(?)草案は実現できなかったが、外国人家事管理士の時給は最低賃金に週休手当、4大保険を加えた1万3940ウォンで、韓国の公共のベビーシッターや民間の家事管理士に比べて安く設定された。

問題は、これさえも難しくなったという点だ。労働基準法上、入国日から1年が過ぎると労働者となり、退職金を受け取る資格が発生し、給与が上がるしかない。

現在、外国人家事管理士を利用する家庭の負担額は、公共のベビーシッターより9.2%安いだけだ。金額上昇の度合いに応じて利用者が減る可能性がある。さらに、雇用部が昨年12月に実施した需要調査によると、試験事業中のソウル市を除いて、家事管理士を利用すると答えた人は各自治体で20人以下だった。

ソウル市は既存の家事管理士支援制度を通じて支援に乗り出すなど、緊急輸血に乗り出した。同市によると、初期離脱した2人を除く98人の家事管理士が185の家庭で働いている。雇用部は試行事業の延長を検討している。

しかし、いつまでも事業が試行状態のままというわけにはいかない。費用の引き上げは当然の流れであり、政府が約束した安価な家事・育児サービスを維持するには、約6ヵ月の試験事業期間の延長を補填する財源を見つけなければならない。足元に火が付いた政府は、今からでも財源を探すと思われるが、「いつまで、どれだけ支援するのか」という宿題が残る。様々な反対を押し切って政策を導入した政府の立場からすれば、制度を中止することも難しい状況だ。さらに、ソウル市関係者によると、事業利用家庭と家事管理会社の満足度は高いことが分かった。政府を信じて家事管理士を入れた185世帯の立場も考えないわけにはいかない。

吐き出すことも飲み込むこともできない「鶏肋」となったこの事業は、当初、安価な家事・育児サービスを提供するという政府の計画で始まった。今、政府は岐路に立たされている。安価な家事・育児サービスを一部あきらめるのか、手直ししてでも維持するのか。確かなことは、後者は長期的ではないということだ。当面の支援金で事業を回生させても、政府はこの機に長期的な計画を立てなければならないだろう。安価な家事・育児サービスは持続可能ではない。