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バイデン大統領「少数の富裕層に権力が集中」、退任演説でマスク氏らを暗に批判

バイデン大統領「少数の富裕層に権力が集中」、退任演説でマスク氏らを暗に批判

Posted January. 17, 2025 08:26,   

Updated January. 17, 2025 08:26


バイデン米大統領が任期終了を5日後に控えた15日(現地時間)、ホワイトハウスで行った最後の国民向けの演説で、「今日、米国では富や権力、影響力が少数者に集中する寡頭制が形成されつつあり、民主主義と自由を脅かしている」と懸念を示した。トランプ次期米大統領の最側近で政府効率化省の共同トップに指名された実業家のイーロン・マスク氏ら富裕層が政治権力まで握ることに警鐘を鳴らしたと指摘されている。

バイデン氏は約19分間行われた演説で、「ビッグテック寡頭制」への懸念を強調した。50年余りの政治経歴の最後を締めくくる演説で、自身の功績を述べるよりも、権力と資本の結合について警告したのだ。米紙ニューヨーク・タイムズは、「トランプ氏やマスク氏など第2次トランプ政権に向けた指摘」と伝えた。第2次トランプ政権では、マスク氏をはじめ、スコット・ベッセント次期財務長官、ハワード・ラトニック次期商務長官、クリス・ライト次期エネルギー長官など、企業家出身が特に多い。彼らは昨年の米大統領選挙でトランプ氏側に多額の寄付をした。彼らの事業と政府役職との利益相反の懸念も高まっている。

バイデン氏は、「ごく一部の超富裕層に権力が危険なほど集中している。権力の乱用を監視せず放置すれば、危険な結末が待っている」と強調した。また、アイゼンハワー元大統領が1961年に退任した際、政府と防衛産業企業の癒着を意味する「軍産複合体」の脅威を警告したことを引き合いに、「60年余りが過ぎた現在、ハイテク産業複合体の浮上を懸念している」と述べた。権力とビッグテックの密着を警戒しなければならないということだ。


イ・ジユン記者 asap@donga.com