
与党の大統領選候補らは、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領との関係設定に頭を悩ませているようだ。与党「国民の力」の現行の党憲・党規は、党員選挙人団と一般国民の世論調査結果を50%ずつ反映する方式で大統領選候補を選出するよう規定している。党員の意向が重要な党内予備選挙で弾劾反対の保守層票を考慮するなら尹大統領と距離を置くことはできず、大統領選本選で中道拡大を考慮するなら尹大統領と距離を置かなければならないというジレンマに陥っているという。
呉世勲(オ・セフン)ソウル市長は、尹大統領が高位公職者犯罪捜査処(公捜処)に逮捕された15日、「公捜処は大統領の捜査から手を引き、不拘束状態で行うのが望ましい」と主張した。弾劾に賛成していた呉氏が不拘束捜査を主張したのは、尹大統領に対する党員および保守層の同情世論を意識したためとみられている。呉氏側関係者は、「弾劾には賛成したが、大統領の捜査は適法な手続きで進めなければならないというのが呉氏の立場だ」と話した。
洪準杓(ホン・ジュンピョ)大邱(テグ)市長は同日、尹大統領について「因果応報と考え、大乗的に対処すべきだ」とし、「(歴史的評価では)尹大統領も左派の集団的狂気の犠牲者と見ることはできないか」と述べた。洪氏は弾劾に反対するなど、保守層を優先する姿勢を示している。洪氏側関係者は、「弾劾に賛成した他の与党候補とは差別化される」と強調した。
韓東勲(ハン・ドンフン)前代表は昨年12月に党代表を辞任して以降、尹大統領に関して一切言及していない。ただ、親韓系(韓東勲氏系)では、韓氏が強固な支持層よりは中道層を考慮した行動を続けるのではないかと見ている。韓氏側関係者は、「尹大統領の弾劾を主導した韓氏のリーダーシップが認められる時が来るだろう」と話した。
金文洙(キム・ムンス)雇用労働部長官が与党の大統領選候補の中で次期大統領適性度でトップであることについて、党内では、「弾劾にも尹大統領の逮捕にも反対した強固な保守支持層が結集した」と分析されている。
イ・サンホン記者 dapaper@donga.com