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「戒厳の時、報道機関に断電・断水を指示」、独裁政権もしなかったこと

「戒厳の時、報道機関に断電・断水を指示」、独裁政権もしなかったこと

Posted January. 15, 2025 08:36,   

Updated January. 15, 2025 08:36

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12月3日の非常戒厳宣布直後、当時の李祥敏(イ・サンミン)行政安全部長官が傘下機関である消防庁に電話をかけ、警察が報道機関に対する断電・断水要請をすれば、協力するよう指示していたことが明らかになった。ホ・ソクゴン消防庁長は13日、国会に出席し、このような指示があったかという野党議員の質問に、「電話を一度受けた」と認めた後、実行しなかったと答えた。当時、李前長官が断電・断水を指示した報道機関は京郷(キョンヒャン)新聞、ハンギョレ新聞、MBCなどだったという。

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が非常戒厳を宣布し、前例のないメディア統制計画まで立てていたという証言は、「警告のための戒厳だった」という既存の主張と矛盾している。尹大統領は非常戒厳宣布の理由について、「巨大野党の亡国的行動を象徴的に知らせるため」と述べた。それと共に国会麻痺が目的だったなら、「まず国会議事堂の電気と水から止めただろう」と言ったが、報道機関にそのような措置が取られるところだった。報道機関への断電・断水は、独裁政権さえ試みなかったことだ。

今のように事件・事故現場で、モバイルでニュースを送信するデジタル時代に、水道と電気を遮断して言論を統制しようとしたとは、愚かな時代錯誤的な発想に驚くばかりだ。特定の報道機関だけを標的にしたことも衝撃的だ。断電・断水対象の報道機関リストは、戒厳当時の与党代表まで含まれていた逮捕リストと同じくらい恣意的だ。当時、呂寅兄(ヨ・インヒョン)国軍防諜司令官は、「大統領が普段から否定的に話していた人々」と供述したが、逮捕名簿と統制対象報道機関リストの恣意性は戒厳宣布が大統領の私的報復に近い行為であることを示しているのではないだろうか。

尹大統領は民主的な言論観とは程遠い。大統領を批判したり、金健煕(キム・ゴンヒ)大統領夫人への疑惑を提起したりする放送報道は厳しく処罰され、「口封じ審議」という言葉まで出た。記者会見での新聞記者の質問について、大統領室参謀が「無礼だ」と批判することもあった。尹大統領は普段から「新聞を見ないでユーチューブを見ろ」と話したという。耳障りのいいことばかり言う極右系ユーチューブの代わりに、メディアの苦言に耳を傾けていれば、このような事態にはならなかっただろう。