昨日は暴落した株式市場が今日は急速に持ち直し、乱高下の相場を演出した。非常戒厳事態後、5日ぶりに持ちなおったものの、政治不安が解消されず、当分「気をもむ」相場が続くものと予想される。政府は株式市場の過度な変動性を警戒しながら、「市場安定措置に全力を尽くす」と明らかにしている。
10日、総合株価指数(コスピ)は前日比2.43%高の2417.84で取引を終えた。年金基金などの機関が大量に買収に乗り出し、前日の下落分のほとんどを挽回した。コスダックも前日比5.52%高騰し、660ポイント台を取り戻した。対外信頼度の不安で連日続いていたウォン安も、久しぶりにウォン高ドル安が進んだ。同日、ソウル外国為替市場でウォン相場は、午後3時30分基準で、前日比10.1ウォン・ウォン高ドル安の1ドル=1426.9ウォンで取引された。
3日夜尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が非常戒厳令を宣言後、4取引日連続で下落したが、久しぶりに持ち直しに成功した。政治不安にともなう下げ幅が過度だったという評価が出て、低価格買収の勢いが流入したものと分析される。中国の景気刺激策による反射利益の期待も、株価の上昇に一役買った。
大信(テシン)証券のイ・ギョンミン研究員は、「コスピ先物を外国人が大量に買収するなど、非常戒厳後に広がっていた不安が少しずつ回復している」とし、「年末までに2,600台の回復が予想される」と話した。三星(サムスン)証券のシン・スンジン投資情報チーム長は、「すでに出てくる悪材料は全て出てきており、株式市場が持ち直している」と話した。
ただ、弾劾など政治的不確実性が残っているうえ、国内景気の低迷による対応策が用意されていないため、上昇幅は限られるだろうという否定的な意見も提起されている。未来(ミレ)アセット証券のソ・サンヨン研究員は、「政治イシューの解消に対する期待感で、短期的反発の傾向を見せるだろうが、長期的に輸出減少と企業収益性の減少に注目しなければならない」と話した。実際、10日も個人投資家らは、コスピ市場で4000億ウォン以上を売り越した。
政府は最近、政局不安で国内の外国為替・金融市場が急激に動揺するや、「過度な市場変動性に対しては、市場心理の反転をおさめることができるほど積極的に対応する計画だ」とし、市場宥めに乗り出した。崔相穆(チェ・サンモク)副首相兼企画財政部長官は、「世界9位の水準の4154億ドル規模の外貨保有高と純対外金融資産9778億ドルなどを考慮すると、政府と韓国銀行の外国為替市場への対応余力は十分だ」と明らかにした。株式市場についても、「年金基金などの機関投資家が、責任ある役割を持続する必要がある」と強調した。
イ・ドンフン記者 dhlee@donga.com