
トランプ米政権の発足(来月20日)を41日後に控え、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の「非常戒厳」宣布の影響による政局混乱で、対米外交の枠組みが揺らいでいるとの懸念が高まっている。第1次トランプ政権での前例から、首脳間の個人的な関係を重視するトランプ氏のスタイルに合わせて韓国政府も第2次政権発足に備えてきたが、このような戦略にも赤信号が灯った。トランプ氏が何度も米国第一主義を基盤とした「同盟請求書」を突きつける考えを明らかにしている状況で、戒厳宣布の前より「トランプリスク」が大きくなったというのが政府関係者の説明だ。
外交消息筋は9日、「対トランプ外交は首脳外交が実に重要だ」とし、「会談調整の基本である政治的安定性の面で本当に良くない状況だ」と話した。尹大統領が内乱容疑で捜査を受けている状況で、会談の早期開催が難しくなるということだ。韓国政府は、迅速な会談で任期中に密月関係を築いた安倍晋三元首相の事例をモデルに、就任前のトランプ氏との会談にも力を入れた。通常、米国で新政権が発足すると、2~3ヵ月以内に韓米首脳会談が開催された。朴槿恵(パク・クンヘ)元大統領の弾劾の影響でトランプ氏との韓米首脳会談は行われなかったが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任して約1ヵ月後の2017年6月に会談が実現した。
韓国政府は、第2次トランプ政権の主要政策が策定される前に、政府の立場を政策に反映させるため、トランプ氏側との接触に外交力を投入してきた。ただ、民間人が米政府の外交問題で外国政府と交渉することを禁じた米ローガン法により、外国政府との接触を控えているため、意思疎通が容易ではないという。トランプ氏の当選直後に政権移行チームが構成されたマー・ア・ラゴに向かった駐米大使も、何の成果もなく帰って来たという。外交消息筋は、「公式に会うことは難しいが、行事に行って偶然会うなど、様々なルートで接触を図っている」と話した。
今回の戒厳事態について、様々なルートで強い懸念を表明したバイデン政権とは異なり、トランプ氏側は慎重なムードだという。政府消息筋は、「ひとまず政権が発足した後、様々な話が出て来るものと思われる」と話した。
さらに、第2次政権発足後、米朝間の直接対話の流れが形成される場合、北朝鮮政策に対する不確実性が大きくなり、既存の韓米日の安全保障協力に依存してきた韓国政府が孤立する可能性があるという懸念も出ている。当初、石破茂首相の就任後初の訪韓を来月に実施するよう韓国政府と調整していた日本政府も、戒厳事態の影響などを考慮して取り止めたという。
申圭鎭 newjin@donga.com






