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イスラエルのガンツ前国防相が戦時内閣を離脱、イスラエル政局が渦の中へ

イスラエルのガンツ前国防相が戦時内閣を離脱、イスラエル政局が渦の中へ

Posted June. 11, 2024 08:40,   

Updated June. 11, 2024 08:40

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「ネタニヤフ首相が国家安全保障より首相職を優先する」

イスラエルのガンツ前国防相(65・写真)が昨年10月、パレスチナ武装組織ハマスとの戦争勃発後、緊急に構成された戦時内閣を9日、離脱すると発表した。中道派のガンツ氏は、極右のネタニヤフ首相が強硬策に終始するため、ハマスに拘束された人質の帰還が遅れていると批判してきた。ガンツ氏、ネタニヤフ氏、ガラント国防相の3人で構成される戦時内閣は、戦争中の国家の主要意思決定を担う。ガンツ氏は同日の記者会見で、「私たちの真の勝利を首相が妨げている」と批判した。ネタニヤフ政権が可能性の低いハマスの完全潰滅だけを主張したため、人質の帰還が遅れているということだ。ガンツ氏は、人質家族に許しを請い、「私にも責任がある」と頭を下げた。特に、ガンツ氏は、ネタニヤフ氏が戦争を理由に首相の座を維持しているとし、早期に総選挙を実施するよう求めた。ガラント氏にも正しいことをするよう辞任を求めた。ガンツ氏は、国防長官、陸軍参謀総長出身の軍人として2018年に政界入りした。次期首相になってほしい候補を問う各種世論調査で、ネタニヤフ氏より高い支持率を得ている。バイデン米政権も強硬策で一貫しているネタニヤフ氏より中道派のガンツ氏を首相として好んでいるという報道が相次いでいる。

ガンツ氏が率いる国家団結党(12議席)は、議会120議席中64議席を占める極右連立政権に属していない。このため、ガンツ氏の戦時内閣離脱がネタニヤフ氏の首相職に直ちに影響を与えることはない。ただし、何らかの形で早期総選挙を要求する社会各界の声は大きくなるものとみられる。

これに対する反発で、ネタニヤフ氏も連立政権内の極右人物にさらに依存する可能性がある。連立政権内の主要極右人物であるスモトリッチ財務相とベングビール国家安全保障相は、それぞれ7議席、6議席を保有する「宗教的シオニスト」、「オツマ・イェフディット(ユダヤの力)」の党首だ。2人の発言力が強まることが予想される。


カイロ=キム・ギユン特派員 pep@donga.com