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MZ世代に頭を悩ます金正恩氏、対北朝鮮政策にMZ世代を影響要素として反映すべきだ

MZ世代に頭を悩ます金正恩氏、対北朝鮮政策にMZ世代を影響要素として反映すべきだ

Posted May. 30, 2024 08:55,   

Updated May. 30, 2024 08:55

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記はなぜ核・ミサイル開発に拍車をかけるのか。金正恩氏はなぜ南北関係を「同族ではなく敵対的な2国間関係」と宣言したのか。金正恩氏はなぜより大胆に「セルフ偶像化」作業に乗り出しているのか。

最近、北朝鮮の金正恩氏の象徴的な行動であり、特徴的な動向はこの3つだ。これらの状況を貫くキーワードがあるだろうか。先日、政府高官がこのような質問をした。硬くて重い答えを予想して苦心していた記者に、彼が先に出した答えは意外だった。それは北朝鮮の「MZ世代」だ。

金正恩氏は今、1980年代以降に生まれたMZ世代の取り締まりに頭を悩ませている。2011年、父親の金正日(キム・ジョンイル)氏が死亡した時に27歳だった金正恩氏も、すでに40歳になっている。今やMZ世代の最高年齢に近い金正恩氏に、国家配給より「チャンマダン(闇市場)」に慣れているMZ世代は難しい。飢えに慣れてはいるが、韓国ドラマなどを見て、飢えていない外部世界もある程度知っているMZ世代は不安要素だ。情報当局者は「北朝鮮で『新世代』が体制を揺るがすほどの変数になったことは一度もなかった」とし「今はMZ世代が今後の金正恩体制10年のルートを変えるほどの主要影響要素の一つになった」と話した。

金正恩氏は、MZ世代の揮発性をすでによく知っている。2020年末には事実上、MZ世代を狙って「反動思想文化排撃法」まで公布した。韓国の動画を見るだけで15年の刑に処した。

このように努力も惜しまなかったが、「MZ要素」を安定的定数に縛ることに失敗した。新型コロナウイルス感染症で国境が閉鎖され、一時は鎮静化したMZ世代は、コロナ禍が収束した昨年を基点に再び蘇った。自然に金正恩氏の視界の真ん中に入った。

MZ世代が金正恩氏を悩ませている状況はあちこちで捉えられている。まず、Kコンテンツに浸ったMZ世代が急増した。北朝鮮がチャンマダンの統制を強化すると、MZ世代の抵抗は強まった。MZ世代の脱北民も増えている。昨年、脱北民の入国者数の半分以上が2030世代だ。最近は、外貨稼ぎのために海外各地に派遣したMZ世代労働者の管理ができず、北朝鮮当局が困惑しているという外国メディアの報道まで出た。

体制まで脅かすこのMZ世代問題を管理しようと、金正恩氏は大きく2方向の処方を出した。一つは内部体制の結束、もう一つは外部との断絶と統制だ。

金正恩氏がミサイルを開発して、北朝鮮住民が見る官営メディアなどを通じて大々的に知らせるのは体制結束のためだ。一方、韓国を「敵対的交戦国」と宣言したのは、対南関係から完全に遮断し、MZ世代の取り締まりまで本格化しようとする思惑とみられる。MZ世代によって増幅された体制危機感と不安感が反映された措置という意味だ。北朝鮮の官営メディアが最近、公然と金正恩氏を「太陽」と呼ぶなど神格化しているのも、体制離脱の可能性が高いMZ世代を意識した措置である可能性が高い。政府当局者の一人は「金正恩がMZ世代に自分をアピールするための悪あがきではないだろうか」と話した。

北朝鮮のMZ世代は同時多発的にうごめいている。このMZ世代は、すでに大きな枠組みで北朝鮮の対南基調や宣伝扇動戦略の方向まで変えている。北朝鮮の高官級脱北者の中には、MZ世代の子どものために韓国行きを選んだ人もいるという。韓国の対北朝鮮政策が、この要素を十分に反映して考慮しているかどうかを検討すべき時期が来た。