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ある媒酌人のスピーチ

Posted March. 16, 2024 08:40,   

Updated March. 16, 2024 08:40

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3月の大学のキャンパスは青々としている。緑だけでなく、人も青々としている。新芽のような人たちが、声も朗らかに話しているのを聞いていると、微笑ましくなる。話題の中でも恋愛の話になるとテンションが上がるのは今も昔も変わらない。私も恋愛したいとか、誰々に関心があるとか、青春の3月は盛り上がる。恋愛の季節、恋を恋する人たちに、愛の詩を一つ紹介したい。

この詩には「愛」という言葉は一言も出てこない。ただ、媒酌人を務めるほどの年配の詩人が通りすがりに目撃した夫婦の話だけが出てくる。老夫婦は、互いに背を合わせて親しげに話している。華やかなシーンでもなく、目に飛び込んでくる決定的なシーンでもないが、詩人はそこに愛の真髄を見いだす。あのように見つめ合い、互いに合わせる心が愛なのだ。「今、恋に落ちた」という意識がなくても、老夫婦は生涯、自然に愛を実践してきたのだろう。人として生まれ、このように生きていれば、どれほど成功的だろうか。大金持ちや権力のある人のことを羨ましく思うことはない。あの老夫婦の愛だけが羨ましい。