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「同行食堂の温かい食事で温もりを分かち合いましょう」

「同行食堂の温かい食事で温もりを分かち合いましょう」

Posted March. 12, 2024 08:52,   

Updated March. 12, 2024 08:52

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「町の住民たちと毎日一食でも気楽に食べることができて、とても感謝します」

8日午後、ソウル中区中林洞(チュング・チュンリムドン)のシンハンヤン食堂。近所の住民のキム・スナムさん(57)は、きれいに整えられた昼食を見ながらこのように話した。ソウル駅の裏手のドヤ街の住民460世帯余りと考試村などが密集している中林洞一帯では、ドヤ街の住民たちに食事を安く提供する「同行食堂」があちこちで運営している。

2年前から同行食堂に参加してきたシンハンヤン食堂の社長、イ・ジンソンさん(39)は、「毎日30~40人の住民が食事をしに来る」とし、「毎日行き来しながら会っているうちに、食堂はまるで『町の客間』のように定着した」と笑った。

●脆弱階層の守り役も

ソウル市は、民間食堂を同行食堂に指定後、ドヤ街の住民たちに1日1食(8000ウォン)を支援している。現在まで、中林洞や昌信洞(チャンシンドン)、東子洞(トンジャドン)など5ヵ所で43ヵ所の食堂が同行食堂として運営されている。

シンハンヤン食堂では、キムチチゲやスンドゥブチゲ、ビビンバなどの韓国料理を販売している。この日、食堂を訪れたキム氏は、「食べて行く時もあるが、包んでもらって家で夕食として食べ、食べ残したおかずは翌日の朝食として食べたりもする」とし、「おかげで、毎日少なくとも2食を腹いっぱいに食べることができる」と話した。

住民たちはここに集まって食事もするが、お互いの安否を伝えたり、問題がある時は打ち明けて助言を求めることもある。社長のイ氏は、「住民たちと毎日話をしているので、町内の便りを隙間なく聞くことになる」とし、「時々一部の店が住民たちにぼったくりをしたことを聞いた後は、管轄機関に解決をお願いして苦情を提起したこともある」と話した。南大門(ナムデムン)ドヤ相談所の関係者は、「ドヤ街の住民たちが詐欺にあったり、不合理な待遇を受けたりすることもあるが、食堂のオーナーの通報で知ることになり、直ちに措置を取ることができた」と伝えた。

同行食堂は、町内住民の安全を守る役割もしている。イさんは、体調を崩した住民1、2人には直接食事を届けて、安否を確認したりもする。イ氏は、「よく来ていたお年寄りが長い間食堂に来ない時は、もし何が起きたのでは、と不安な時がある」とし、「直接訪ねて確認する時もあり、直接行くのが難しい時は、ドヤ相談所に伝えて確認をお願いすることもある」と話した。

●ソウル市、同行食堂の拡大運営へ

昨年、同行食堂がドヤ街の住民たちに提供した食事は計64万2080食で、1日平均1759人が利用したことが分かった。物価高の時代にドヤ街の住民たちの食事の責任を負っている。同行食堂の事業者も、同じく満足度が高かった。彼らは売上が伸びただけでなく、他人を助けることができるというやりがいと楽しさをその理由に挙げた。

ソウル市は、このような反応を追い風に、同行食堂を今年は拡大運営する計画だ。現在、同行食堂を43ヵ所から49ヵ所に増やし、食堂とメニューに関する選択権を広げる。また、ドヤ相談所の担当者が週1回、給食カードの決済内訳を確認し、3日以上欠食したり、普段と異なる利用パターンを見せれば、相談所内のケアマネージャーや看護師などと一緒に健康などの安否を確認する予定だ。

ソウル市のチョン・サンフン福祉政策室長は、「同行食堂が町内の客間のような役割をすることになり、相互ケアの関係が形成される」とし、「ドヤ街の住民たちが緊急状況に置かれた時は、安全弁のような役割までできるように努力する」と強調した。


イ・チェワン記者 chaewani@donga.com