
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が、「地方人民に基礎食品や食料品、消費品をはじめとする初歩的な生活必需品さえ満足に提供できずにいる」とし、「党と政府にとって到底見過ごせない深刻な政治的問題だ」と不満をあらわにした。地方の配給システムの崩壊を公式に認めたのだ。深刻な食料難で平壌(ピョンヤン)以外の地方住民の体制への不満が高まる中、これを幹部のせいにする狙いがあるとみられる。
25日、北朝鮮の朝鮮中央通信によると、正恩氏は23、24日に開かれた朝鮮労働党中央委員会政治局拡大会議で、「地方経済が初歩的な条件も欠く、非常に嘆かわしい状態だ」とし、地方経済の改善に向けた「地方発展20×10」に人民軍を動員する計画を立てるよう指示した。
政府消息筋によると、昨年、北朝鮮の一部の地方では住民の70~80%が配給を受けられなかったという。昨年9月以降しばらく上昇が止まっていたコメなどの食料品価格が新年に入って再び上がり、配給を受けられなかった地方住民の不満がさらに大きくなったという。こうした中、北朝鮮は前日、新型戦略巡航ミサイル「プルファサル3-31」を発射実験したと主張した。一発に数百万ドルにのぼるミサイル挑発をまたも強行したのだ。正恩氏が新しいドイツのメルセデス・ベンツの車両を公開するなど、政権層のための奢侈品の搬入も最近増加傾向にあると伝えられている。
申晋宇 niceshin@donga.com