世界のeスポーツ産業、4年間で1兆ウォン台に成長
Posted January. 06, 2024 08:28,
Updated January. 06, 2024 08:28
世界のeスポーツ産業、4年間で1兆ウォン台に成長.
January. 06, 2024 08:28.
by キム・スヒョン記者 newsoo@donga.com.
昨年12月20日、制服を着た生徒たちがガラス張りのゲーミングブースの中にどっと詰めかけた。蛍光照明で照らされているブースには最先端ゲーミングコンピューター10台とヘッドセット、マウスなどゲームに必要な機器が揃っていた。生徒たちは自然とコンピューターの電源を入れ、ゲーム「リーグオブレジェンド(LoL・ロール)」に接続してウォーミングアップをした。一見すると、放課後のネットカフェを連想させる風景だ。でもここは高校の教室。時間は2限目の授業が始まる平日午前10時。この日の生徒たちのゲーム訓練は、れっきとした正規授業だった。2020年、韓国の高校として初めてプロゲーマーの育成に特化したeスポーツ科を設置したソウル恩平区恩平(ウンピョングウピョン)メディテック高校では、「第2のフェイカー(イ・サンヒョク)」を目指す生徒たちが夢を追いかけていた。「FaKer」は昨年、中国の杭州アジア大会eスポーツで金メダルを獲得し、英ザ・タイムズ紙が選定した「今年のスポーツパワートップ10」に名を連ねた有名なゲーマーだ。●正規授業に練習試合、「ゲーム教科書」まで作成この日の授業は5対5のスクリム(練習試合)で行われた。昨年、同高校のeスポーツ科に入学した1年生は計40人。そのうち1組と2組を代表する生徒同士が対戦した。スクリムに参加しなかった残りの生徒たちは「自習」をした。eスポーツ科における自習とは、個人トレーニングや自分の以前のゲーム映像を見て分析することを意味する。生徒たちがヘッドセットをつけて準備を終えると、eスポーツ教師のパク・ジョンジンさん(32)は生徒たちとどんな「チャンピオン」(ロールゲームのキャラクター)を選ぶか話し合って、戦略を練り始めた。ゲームが始まると、生徒たちは「相手チームの位置が分かった」、「(相手チームは)皆生きているので、下に降りるかどうか慎重に判断して」など、素早く試合状況を伝えあった。パクさんは、何のアドバイスもせず、後ろで生徒たちの試合を見守った。約30分間の試合の結果は2組の残念な敗戦。ゲームが終わった後、パクさんは生徒たちを集めてじっくり試合で出たミスを一つ一つ説明し始めた。パクさんは「実際のプロチームでも試合直後、このようなやり方でフィードバックしている。実戦と最も近い形で生徒たちを教育している」と話した。試合に出場したキム・ドンヒョン君(17)は、「チームメイトと呼吸が合わなかったのが、今日の敗因だったと思う。技量を補完して必ずプロに進出したい」と話した。生徒を評価する方法も独特だ。実習評価で生徒たちは「ディリャン」(相手に被害を与えた程度)、「キル数(相手を倒した数)」などゲーム能力を細分化した指標で評価される。記述式試験ではゲームの基本戦略と主要な状況ごとの対応過程を中心に本人の考えを書かなければならない。同校は最近、教育庁から直接認可を受け、eスポーツ関連教科書を直接作成した。主な内容はeスポーツの訓練や実習、eスポーツ選手の心理などだ。同校のようにeスポーツ科を設置している高校は、昨年末の基準で全国で4校ある。ソウル2校、全羅北道(チョルラブクト)1校、慶尚南道(キョンサンナムト)1校で、今年は釜山(プサン)にも2校が新設される予定だ。「テラン皇帝」イム・ヨファン(スタークラフト)と「カート天才」ムン・ホジュン(カートライダー)のような「eスポーツ皇帝」の発掘に向け幼少年システムも共に進化している。同高のeスポーツ担当教師のチェ・ジョンフンさんは「数年間にわたって、生徒たちのニーズを把握し、時代に合った学科を開設することができた」として「今はゲームも一つのスポーツであり、学問になっている」と教育背景を説明した。●プロチームがアカデミーを設置して有望選手を育成特性化高校の他にもプロ入団を夢見る個人練習生が進む道は多くなった。その代表例としてプロeスポーツチームが運営するゲーム専門教育機関である「アカデミー」を挙げられる。これまでプロチームは年齢に比べて高いティア(Tier、ゲーム内レベル)を持つ個人に直接コンタクトを取り、人材を迎え入れた。ところが最近は、有望な選手を若い時から体系的に育成し、良い成果を収めた選手に入団テストなどプロの機会を与える方にトレンドが変わった。アカデミー入団テストには数多くの志望生が集まり、それ自体でゲーム業界の「一大イベント」になった。その代表例が、まさに今月中旬に開かれる2024リーグ∙オブ∙レジェンド∙チャンピオンズ・コリア(LCK)チャレンジャーリーグ(2軍リーグ)出場を準備する「ジェンジチャレンジャー」チームの選手たちだ。彼らはチームアカデミーの「奨学生」として昨年全国のアマチュアロール大会を席巻した後、11月27日に「ワンチーム」として一緒にチーム2軍にコールアップ(昇格)された。昨年12月19日、ソウル江南区(カンナムグ)のジェンジeスポーツ社屋で会ったジェンジ・チャレンジャーズチームの主将の「トイェ」パク・ドンヒョン選手(21)は、「周りの(プロ)志望生より年上で、『今回が最後』という覚悟でやったが、本当にギリギリ入団した。プロの責任感は重いが、来シーズンで実力を証明したい」と感想を伝えた。2003~2005年生まれのジェンジ・チャレンジャーズチームは、小学生のごろからロール1世代ゲーマーの活躍を見て、プロゲーマーを夢見てきたという。「スレイヤー」キム・ジンヨン選手(21)は両親を説得して昨年大学を休学し、プロゲーマーになるための最後の挑戦に挑んだ。他のチームが主催する練習生選抜大会にも出場するなど、熱心に「ポートフォリオ」を準備した結果、アカデミーに入団することができた。最年少の「ドゥリ」パク・ソルボム選手(19)は今シーズン初め、パク・ドンヒョンと二人で食事の時間を削ってまで、30時間連続でゲームをするほど情熱を注いだ。「マスター」(上位0.56%)ティアに到達し、自分の実力をチームに証明するためだった。プロになったとはいえ、依然として「1軍コールアップ」という最終目標が残っている。毎日午後1時に練習室に来て、午後2時から5時までチーム練習、7時から10時まで再びチーム練習を繰り返す。チーム練習が終わった後は翌日午前3、4時まで個人練習をする。1日平均12時間ほどゲームトレーニングに時間を費やすわけだ。「ダリア」ファン・インジュン選手(20)は「休暇も返上し、人が休む時もゲームに集中するだけに、リーグで良い成績を収められると信じている」と話す。●親がプロを目指す子の献立管理までサポートアマチュア(育成軍)大会も成長している。政府が支援する初の全国規模のアマチュアeスポーツ大会である「大統領杯アマチュアeスポーツ大会」は2007年の創設以来、今年で18年目を迎える。開催当時、8地域270人の選手で始まった大会は、昨年16市道(世宗を除く)から計1027名が参加するほど大きくなり、種目も「ロール」、「バトルグラウンドモバイル」、「カートライダー:ドリフト」の3種目に増えた。韓国コンテンツ振興院によると、昨年9月基準で韓国のeスポーツアマチュア選手は200人いるという。2022年の143人に比べて約40%も増加した。年齢別では満17~19歳が54人(27%)で最も多く、満16歳以下も6人(3%)いた。種目別ではロール選手が149人で最も多く、「バトルグラウンド」(16人)、「カートライダー:ドリフト」(14人)、「オーバーウォッチ(14人)」が後に続いた。最近、10代で大きな人気を集めている「ヴァロラント」も昨年初めて7人のアマチュア選手が誕生した。プロゲーマーが正式な職業として認められると、子供の夢を積極的に応援する保護者も増えている。ソウル江南区(カンナムグ)T1eスポーツアカデミーに通うユン・ジウ君(15)の母親チョ・グンスクさん(49)もその一人だ。チョ氏も最初はプロゲーマーを夢見る息子を止めるべきか悩んだが、放課後に往復3時間以上のアカデミーを文句なしに毎日通う息子を見て「好きなことをやらせてあげなければ」と決心したという。最近は「ゲームも体力」と言い、直接息子の運動と睡眠時間、献立まで管理し、全面的にサポートしている。昨年12月19日にも息子の進路相談のためにアカデミーを訪れたチョさんは、「まだゲームには見慣れていないが、息子のためにチーム入団説明会にも行ってきた。今は勉強よりは技術が重要な時代だと思うから」と話した。
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昨年12月20日、制服を着た生徒たちがガラス張りのゲーミングブースの中にどっと詰めかけた。蛍光照明で照らされているブースには最先端ゲーミングコンピューター10台とヘッドセット、マウスなどゲームに必要な機器が揃っていた。生徒たちは自然とコンピューターの電源を入れ、ゲーム「リーグオブレジェンド(LoL・ロール)」に接続してウォーミングアップをした。
一見すると、放課後のネットカフェを連想させる風景だ。でもここは高校の教室。時間は2限目の授業が始まる平日午前10時。この日の生徒たちのゲーム訓練は、れっきとした正規授業だった。2020年、韓国の高校として初めてプロゲーマーの育成に特化したeスポーツ科を設置したソウル恩平区恩平(ウンピョングウピョン)メディテック高校では、「第2のフェイカー(イ・サンヒョク)」を目指す生徒たちが夢を追いかけていた。「FaKer」は昨年、中国の杭州アジア大会eスポーツで金メダルを獲得し、英ザ・タイムズ紙が選定した「今年のスポーツパワートップ10」に名を連ねた有名なゲーマーだ。
●正規授業に練習試合、「ゲーム教科書」まで作成
この日の授業は5対5のスクリム(練習試合)で行われた。昨年、同高校のeスポーツ科に入学した1年生は計40人。そのうち1組と2組を代表する生徒同士が対戦した。スクリムに参加しなかった残りの生徒たちは「自習」をした。eスポーツ科における自習とは、個人トレーニングや自分の以前のゲーム映像を見て分析することを意味する。
生徒たちがヘッドセットをつけて準備を終えると、eスポーツ教師のパク・ジョンジンさん(32)は生徒たちとどんな「チャンピオン」(ロールゲームのキャラクター)を選ぶか話し合って、戦略を練り始めた。ゲームが始まると、生徒たちは「相手チームの位置が分かった」、「(相手チームは)皆生きているので、下に降りるかどうか慎重に判断して」など、素早く試合状況を伝えあった。パクさんは、何のアドバイスもせず、後ろで生徒たちの試合を見守った。
約30分間の試合の結果は2組の残念な敗戦。ゲームが終わった後、パクさんは生徒たちを集めてじっくり試合で出たミスを一つ一つ説明し始めた。パクさんは「実際のプロチームでも試合直後、このようなやり方でフィードバックしている。実戦と最も近い形で生徒たちを教育している」と話した。試合に出場したキム・ドンヒョン君(17)は、「チームメイトと呼吸が合わなかったのが、今日の敗因だったと思う。技量を補完して必ずプロに進出したい」と話した。
生徒を評価する方法も独特だ。実習評価で生徒たちは「ディリャン」(相手に被害を与えた程度)、「キル数(相手を倒した数)」などゲーム能力を細分化した指標で評価される。記述式試験ではゲームの基本戦略と主要な状況ごとの対応過程を中心に本人の考えを書かなければならない。同校は最近、教育庁から直接認可を受け、eスポーツ関連教科書を直接作成した。主な内容はeスポーツの訓練や実習、eスポーツ選手の心理などだ。
同校のようにeスポーツ科を設置している高校は、昨年末の基準で全国で4校ある。ソウル2校、全羅北道(チョルラブクト)1校、慶尚南道(キョンサンナムト)1校で、今年は釜山(プサン)にも2校が新設される予定だ。「テラン皇帝」イム・ヨファン(スタークラフト)と「カート天才」ムン・ホジュン(カートライダー)のような「eスポーツ皇帝」の発掘に向け幼少年システムも共に進化している。
同高のeスポーツ担当教師のチェ・ジョンフンさんは「数年間にわたって、生徒たちのニーズを把握し、時代に合った学科を開設することができた」として「今はゲームも一つのスポーツであり、学問になっている」と教育背景を説明した。
●プロチームがアカデミーを設置して有望選手を育成
特性化高校の他にもプロ入団を夢見る個人練習生が進む道は多くなった。その代表例としてプロeスポーツチームが運営するゲーム専門教育機関である「アカデミー」を挙げられる。
これまでプロチームは年齢に比べて高いティア(Tier、ゲーム内レベル)を持つ個人に直接コンタクトを取り、人材を迎え入れた。ところが最近は、有望な選手を若い時から体系的に育成し、良い成果を収めた選手に入団テストなどプロの機会を与える方にトレンドが変わった。アカデミー入団テストには数多くの志望生が集まり、それ自体でゲーム業界の「一大イベント」になった。
その代表例が、まさに今月中旬に開かれる2024リーグ∙オブ∙レジェンド∙チャンピオンズ・コリア(LCK)チャレンジャーリーグ(2軍リーグ)出場を準備する「ジェンジチャレンジャー」チームの選手たちだ。彼らはチームアカデミーの「奨学生」として昨年全国のアマチュアロール大会を席巻した後、11月27日に「ワンチーム」として一緒にチーム2軍にコールアップ(昇格)された。
昨年12月19日、ソウル江南区(カンナムグ)のジェンジeスポーツ社屋で会ったジェンジ・チャレンジャーズチームの主将の「トイェ」パク・ドンヒョン選手(21)は、「周りの(プロ)志望生より年上で、『今回が最後』という覚悟でやったが、本当にギリギリ入団した。プロの責任感は重いが、来シーズンで実力を証明したい」と感想を伝えた。
2003~2005年生まれのジェンジ・チャレンジャーズチームは、小学生のごろからロール1世代ゲーマーの活躍を見て、プロゲーマーを夢見てきたという。「スレイヤー」キム・ジンヨン選手(21)は両親を説得して昨年大学を休学し、プロゲーマーになるための最後の挑戦に挑んだ。他のチームが主催する練習生選抜大会にも出場するなど、熱心に「ポートフォリオ」を準備した結果、アカデミーに入団することができた。最年少の「ドゥリ」パク・ソルボム選手(19)は今シーズン初め、パク・ドンヒョンと二人で食事の時間を削ってまで、30時間連続でゲームをするほど情熱を注いだ。「マスター」(上位0.56%)ティアに到達し、自分の実力をチームに証明するためだった。
プロになったとはいえ、依然として「1軍コールアップ」という最終目標が残っている。毎日午後1時に練習室に来て、午後2時から5時までチーム練習、7時から10時まで再びチーム練習を繰り返す。チーム練習が終わった後は翌日午前3、4時まで個人練習をする。1日平均12時間ほどゲームトレーニングに時間を費やすわけだ。「ダリア」ファン・インジュン選手(20)は「休暇も返上し、人が休む時もゲームに集中するだけに、リーグで良い成績を収められると信じている」と話す。
●親がプロを目指す子の献立管理までサポート
アマチュア(育成軍)大会も成長している。政府が支援する初の全国規模のアマチュアeスポーツ大会である「大統領杯アマチュアeスポーツ大会」は2007年の創設以来、今年で18年目を迎える。開催当時、8地域270人の選手で始まった大会は、昨年16市道(世宗を除く)から計1027名が参加するほど大きくなり、種目も「ロール」、「バトルグラウンドモバイル」、「カートライダー:ドリフト」の3種目に増えた。
韓国コンテンツ振興院によると、昨年9月基準で韓国のeスポーツアマチュア選手は200人いるという。2022年の143人に比べて約40%も増加した。年齢別では満17~19歳が54人(27%)で最も多く、満16歳以下も6人(3%)いた。種目別ではロール選手が149人で最も多く、「バトルグラウンド」(16人)、「カートライダー:ドリフト」(14人)、「オーバーウォッチ(14人)」が後に続いた。最近、10代で大きな人気を集めている「ヴァロラント」も昨年初めて7人のアマチュア選手が誕生した。
プロゲーマーが正式な職業として認められると、子供の夢を積極的に応援する保護者も増えている。ソウル江南区(カンナムグ)T1eスポーツアカデミーに通うユン・ジウ君(15)の母親チョ・グンスクさん(49)もその一人だ。チョ氏も最初はプロゲーマーを夢見る息子を止めるべきか悩んだが、放課後に往復3時間以上のアカデミーを文句なしに毎日通う息子を見て「好きなことをやらせてあげなければ」と決心したという。最近は「ゲームも体力」と言い、直接息子の運動と睡眠時間、献立まで管理し、全面的にサポートしている。昨年12月19日にも息子の進路相談のためにアカデミーを訪れたチョさんは、「まだゲームには見慣れていないが、息子のためにチーム入団説明会にも行ってきた。今は勉強よりは技術が重要な時代だと思うから」と話した。
キム・スヒョン記者 newsoo@donga.com
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