
「私にぴったりの人は私しかいない!」
一人でサムギョプサルを焼いて食べること、景福宮(キョンボックン)を散歩しながら写真を撮ること、南山(ナムサン)タワーで夜景を楽しむこと…。「カリスマ論述講師」であり、パワーインフルエンサーであるヨンホ(イ・ドンウク)は、カップルに負けないほど楽しいシングルの休日を過ごす。恋人に時間とお金を注ぐ代わりに、漢江(ハンガン)が一目で見える高級マンションで一人で暮らし、カメラやLPレコード、ワインなど、好きなもので空間を満たしている。完璧な生活を楽しんでいたある日、ヨンホは出版社編集長のヒョンジン(イム・スジョン)から、ソウルのシングルライフに関する本を書いてみようという提案を受け、平穏だった日常にくすぐったい変化が始まる。
一人が好きだが、温もりを分かち合う誰かを待つ「最近の若者たち」の恋愛を盛り込んだ映画「シングル・イン・ソウル」が、29日公開する。「ロマンス職人」と呼ばれる俳優のイ・ドンウクが、気難しいシングル男ヨンホで2年ぶりにスクリーンに復帰した。
ソウル鍾路区(チョンノグ)のカフェで21日に会ったイ・ドンウク(42)は、「ヨンホは、人間のイ・ドンウクとよく似ている」とし、「私の日常は、完璧なシングルライフそのものだ。一人で過ごすのがとても良くて楽だ」と話した。その一方で、「誰かが、私の時間と感情を共有してほしいという気もする」と打ち明けた。
映画は、初恋に傷ついたヨンホが、もの足りなかった20代の時代を振り返り、成熟する過程を淡泊に盛り込んでいる。あれほど憎んでいた初恋だが、自分が記憶を歪曲させていたことに気づくシーンは、観客にくだらない過去を思い出させる。イ・ドンウクは、「私も20代の時、くだらなかったことが確かにあっただろうと思って共感した」と話した。彼は、「映画を撮りながら、心が熱くなった。いつも開かれた心で、誰かを待っている」と笑った。
イ・ドンウクは、きれいな肌にすらりとした身長、きれいな目鼻立ちでロマンスジャンルにぴったりな俳優という評価を受けているが、死神(「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」・2016年)、サイコパス(「他人は地獄だ」・2019年)、九尾狐(「九尾狐伝」・2020年)など、フィルモグラフィが多彩だ。彼は、「挑戦するのが好きだ。同じキャラクターを連続してこなすのは、枠の中に閉じ込められた感じがする」とし、「次のロマンス物は、3、4年後になりそうだ」と話した。
崔智善 aurinko@donga.com