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またコンクリートが凍っている

Posted November. 22, 2023 09:42,   

Updated November. 22, 2023 09:42

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最近、雇用労働部と韓国産業安全保健公団が出した「重大災害事故白書-2023まだ危険は終わっていない」の35ページにはこのような内容がある。「寒中コンクリート(cold weather concrete)の施工条件、つまり養生が難しい5度未満の気温で骨組み工事をする時は、コンクリートの品質管理が必須だ」。2022年1月11日午後3時46分に崩壊した光州市西区花亭洞(クァンジュシ・ソク・ファジョンドン)のアイパークアパートの事故を分析した記録だ。当時、人々は生中継で見守った。崩壊したアパートの断面に露出した鉄筋とコンクリートの山、その上に舞う雪。

白書はこう記録した。「冬季にはコンクリートが固まりながら強度を確保する養生速度が相対的に遅くなるため、十分な養生期間を確保して工事を進めなければならない。さらに、氷点下の低い温度にさらされると、コンクリートが養生中に凍結する致命的な欠陥が発生する可能性もある」。

寒さのせいでまだ固まっていないコンクリートが凍った後、気温が上がって溶ける現象を「凍結融解」という。コンクリートの中に含まれる水分が凍ると、その体積が9%ほど膨張する。この氷が溶けると、コンクリートは穴の開いた骨粗鬆症患者の骨のように弱くなる。簡単だが紛れもない物理法則だ。この物理法則を無視して現場作業員6人が死亡した。しかし、物理法則を破った人とその結果として命を落とした人は同一人物ではない。利益を多く残し、損害を減らすために工期を前倒しし、氷点下の天候でもコンクリートを打たなければならないと決定、決裁、急いだ人が命を落としたのではない。

白書はこう書いている。「人は自分に脅威となる状況なら、可能な限りその危険を避けようとする。しかし、繰り返しリスクを取ることを要求するムードが形成されると、知らず知らずのうちに蛾のように危険の中に入っていく。特に建設現場での空気短縮圧力がそうである」。事故現場の労働者は、惨事後、匿名でメディアに語った。「雪の日は打設するべきではなかったのに打設した」「早くやれという指示があった」。

ところが、白書に欠けていることがある。記録のどこにも政府の話がない。見過ごしてはならないのは、あのすべてのシステムの崩壊は、建設現場と労働者の安全を管理する中央政府と関連省庁(雇用労働部、国土交通部など)が厳然と存在する、そして関連法制度と公務員、司法行政の人員が運用されている国家の枠の中で起きたことだ。政府の管理監督の責任がなぜ機能しなかったのか、現場の実態をなぜ知らなかったのか(あるいは知っていたとしてもなぜ放置したのか)、なぜ防げなかったのか。政府は自らの過ちも記録すべきだった。

コンクリートが物理の法則に従うなら、企業は利益追求の法則に従う。建設労働者は今日も2つの法則の間に挟まれて危険にさらされている。政府が国民の命を守りたいなら、当然、物理法則が利益追求の法則より先に適用されるようにしなければならない。そのために、国民は政府に法と強制力を与えた。

今年の年末の天候は変わりやすい。11月に過去最高気温を突破したかと思えば、寒波が訪れ、暖かくなったかと思えば、再び氷点下だ。間違いない物理法則に従って、全国の建設現場のあちこちに隠れた水分が膨張し、凍結と融解を繰り返すだろう。どこかでまたコンクリートが凍っている。