
大詩人が亡くなった。喪服を着て出勤し、葬儀場に行くところだった。大学の授業で金南祚(キム・ナムジョ)詩人のニュースを伝えるが、すぐに分からない。「冬の海」を書いた詩人だと言うと、多くの人がうなずく。「あなたほど素敵な人に会ったことがない」という詩の一節を詠むと、ほとんどの人が分かる。詩人は作品として残るというが、「金南祚」は永遠に生き続けることができるだろう。
学生たちの年齢はちょうど二十歳だが、私もちょうど二十歳の時、金氏に初めて会った。自宅に挨拶に行ったが、中に入ってみると薄暗かった。あちこちにろうそくだけで明かりを灯し、聖母像がある姿はまるで修道院のようだった。そのような敬虔なムードと祈りの中で「手紙」のような詩が生まれたのだろう。会った初日から祈りを捧げてくれた。その後も会うたびに「素晴らしい」と褒めてくれ、サインを頼むと「祝福します」と書いてくれた。今うまくいっているということではなく、これからうまくいくという祝福だった。挫折と自責の念で頭を抱えている時、そんな言葉を聞けば、誰だって忘れられない。私だけが特別に受けたわけではないが、長い間、詩人は詩と手紙と祝福で多くの人の心を救ってくれた。
返したかったが、返せなかった。手紙を受け取るだけで、返事はできなかった。だからこの詩を詠む。満ち足りた高潔な詩人、ご冥福をお祈りします。






