政府は昨日閣議を開き、今年より2.8%増の656兆9000億ウォン規模の来年度の予算案を議決した。政府は、研究開発(R&D)や補助金の予算構造調整を通じて23兆ウォンを削減した「緊縮予算」という点を強調した。しかし、来年も61兆8000億ウォンの赤字国債を発行して穴を埋める赤字予算は避けられない。
来年度の政府予算案は、総支出の概念を予算編成に導入した2005年以降、増加幅が最も少ない。昨年の増加率の5.2%の半分水準だ。政府の権限で調整できる裁量支出を20%減らしたという。このようにベルトを締めても、来年の政府財政は国内総生産(GDP)の3.9%である92兆ウォンの赤字が出る。来年徴収される税金は367兆4000億ウォンで、今年の目標税収より8%以上減るものと予想されるからだ。毎年、財政収支の赤字幅をGDPの3%以内で管理するという政府の財政準則案を上回る赤字だ。
問題は、「財政万能主義と選挙のためのばら撒き予算を排撃した」という政府の主張とは異なり、残りの7ヶ月余りの総選挙を意識したものと見るしかない予算が多いという点だ。鉄道・道路・新空港など、全国のインフラに投入される予算は、今年より4.6%伸びる。昨年に比べて、今年は10.7%減少したインフラ予算が、選挙のある来年に再び増加傾向に転じる。国会予算の審査過程で政界の影響力が入り始めれば、さらに増える可能性は少なくない。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の「兵士月給200万ウォン」の公約により、兵長の月給は今年の100万ウォンから125万ウォンに、別途積み立てる「明日準備支援金」は30万ウォンから40万ウォンに上がる。兵士の給料だけが急激に上がり、服務期間はさらに長く、補償は少ない初級将校や副士官らの不満は高まっている。引き上げ速度の調節が必要だという指摘が多いが、政府は反応がない。このような支出増加によって、来年度の国防予算は4.5%が増え、7年ぶりに全体予算の伸び率を上回る。
状況がこうなのに、与党の「国民の力」からは、「資金源を締めすぎて、選挙を行うのが難しい」という不満が出ている。野党は、年内の補正予算編成の主張を繰り返している。政府の補助金削減の方針に、地方自治体も不満を示している。政府の「上低下高」の予想まで外れ、財政支出を通じた景気刺激の要求はより一層大きくなっている。政府が「政治性浪費予算」を先に減らすことができなければ、あちこちで提起される人々の要求を防御することは難しいだろう。
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