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尹大統領、韓米連合軍司令部のバンカー「タンゴ」を訪問

尹大統領、韓米連合軍司令部のバンカー「タンゴ」を訪問

Posted August. 24, 2023 08:36,   

Updated August. 24, 2023 08:36

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韓国軍が21日から始まった韓米合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダム・シールド(UFS)」に、韓国に対する北朝鮮の核兵器投下を含める案を検討し、米国側と協議を行ったことが確認された。だが、韓米協議の結果、北朝鮮の核攻撃に対応する核戦力が抜けている現行の連合作戦計画などを考慮し、従来通り北朝鮮の核攻撃が差し迫った段階までをUFSに適用することで結論を下したという。しかし、大統領室と軍では、北朝鮮の戦術核攻撃の脅威が現実のものとなったため、今後、合同軍事演習に北朝鮮の核攻撃状況を反映させるか、韓米間で別途の拡大抑止作戦を策定すべきというムードが強いという。

UFSの初日(21日)、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が乙支国務会議で、「北朝鮮は戦争目的の達成のためなら核使用も辞さないだろう」と強調したのも、このような認識の延長線上にあるものとみられる。

23日の東亜(トンア)日報の取材を総合すると、軍は今年下半期のUFSの準備過程で、韓国に対する北朝鮮の核兵器投下の状況を訓練のシナリオに含めることを検討した。ある情報筋は、「北朝鮮が短距離弾道ミサイル(SRBM)で韓国内陸や海上に核を投下する状況を反映する方向で検討された」と伝えた。これまで毎年上・下半期の韓米合同軍事演習は、北朝鮮の核使用脅威の兆候や差し迫った状況までしか反映されず、北朝鮮の核攻撃の実行状況は含まれなかった。

韓米は関連協議を行ったが、核投下シナリオは反映しないことで合意したという。北朝鮮の核攻撃に対応する「核の傘」戦力がない現在の連合作戦計画の限界などを考慮したためだという。韓米連合司令部も、演習の範囲から外れるという立場を示したという。

実際、韓国に対する北朝鮮の核攻撃時に米国の拡大抑止(「核の傘」)が稼働するには、3大核戦力(戦略核爆撃機、戦略原子力潜水艦、核搭載大陸間弾道ミサイル)などの核兵器を総括する米戦略司令部の作戦計画が稼働しなければならない。韓米連合軍の現在の対北朝鮮作戦計画は、通常兵器の使用計画はあっても核戦争計画はない。韓米は、北朝鮮の戦術核の脅威など核・ミサイルの高度化に対応して、既存の作戦計画5015を補完・最新化した新作戦計画を完成させた。しかし、これも在来型の戦争に限定され、北朝鮮の奇襲核攻撃状況に対応するには限界があると指摘されている。

そのため、韓米連合作戦計画を米戦略司令部の作戦計画と多角的・多層的に連動させ、北朝鮮の核攻撃時に拡大抑止が直ちに稼働できるよう連合作戦態勢を引き上げなければならないという主張が力を得ている。今年発足した韓米核協議グループ(NCG)を通じて、韓国に対する北朝鮮の核攻撃時に米国の核報復が遅滞なく行われるよう別途の「対北朝鮮拡大抑止作戦」の策定の必要性も提起されている。

別の韓国軍筋は、「米国の対北朝鮮拡大抑止の実効性を具体的な軍事作戦レベルに高めてこそ、北朝鮮の核挑発の抑止に役立つだろう」と話した。


尹相虎 ysh1005@donga.com