Go to contents

「損得勘定の時代」とは言え、ウクライナの正義を先に考えるべきだ

「損得勘定の時代」とは言え、ウクライナの正義を先に考えるべきだ

Posted July. 22, 2023 08:34,   

Updated July. 22, 2023 08:34

한국어

クリス(仮名)は米国のとある小さな村に住む「カントリーボーイ」だった。海外どころか、国内の大都市でさえ何回かした行ったことのない20代の青年だ。泳ぎが好きで動物を愛していた青年が遠い韓国の地まで来るようになったのは半分は愛国心、半分は正義感のためだったという。クリスは射撃訓練さえまともに終えないまま砲声の中に飛び込んだ。そして休戦を数日後に控えたある日、最後まで耐えられなかった。韓国戦争で散華した3万6634人の米軍の一人になった。

数十年前、韓国で死亡したクリスの話が再び注目を集めているのは、最近尹錫悦(ユン・ソクヨル))大統領のウクライナ訪問直後に一部の韓国国民が見せた反応のためだった。ウクライナに何を助けられあそこまで行ったのかという不快な表情から、ロシアとの関係悪化などにつながり、経済的損害だという見方まで。多くの人が損得勘定に走った。そういう勘定からすれば、結局尹大統領がウクライナのゼレンスキー大統領と首脳会談を行い、軍需物資支援計画などを明らかにしたことは損害であり不必要な行為だという話になる。

戦争が1年半も続き、長期化するにつれ、人々はウクライナ内の残酷な場面についてますます鈍くなっているようだ。その代わり、数字にはさらに敏感になった。いつからかウクライナ以外の国の人々は、この戦争を胸ではなく頭だけで見ているようだ。ウクライナ支援による損得を計算し、戦後再建事業に参加する際に得られる数字から思い浮かべる。

もちろん計算も重要だ。最近会った政府高官は、今の国際社会を「損得勘定の時代」と定義した。一見すると、欧米列強が植民地支配までした過去より、現在の方がはるかに上品でルールがあり、常識が通用する時代のように見えるが、一歩踏み込んでみれば国際関係の現実は依然として冷酷であることが分かるという意味だ。特に最近、米中対立が高まり、国家間の冷静な損得勘定は一段と厳しくなった。ウクライナ戦争は建前の平和の中に冷静な国際関係の現実が赤裸々に暴露された一場面だという説明だった。

ただし「損得勘定の時代」だからと言って正義という価値まで計算機の後に置かなければならないのかは全くの別問題だ。ウクライナ戦争のように加害者と被害者が明確で、普遍的正義がどこにあるのか鮮明に見えるのなら、なおさらだ。正義が先だということだ。

計算と数字は結局、二次的な考慮要素だ。米国は1952年に国内総生産(GDP)の4.2%に達する3410億ドルを韓国戦争に注ぎ込んだ。しかし、韓米両国の誰もこの数字を先に触れたりしない。血を流した米軍に対する感謝が常に先だった。彼らの崇高な犠牲のおかげで、韓米同盟は血盟に格上げされた。金斗萬(キム・ドゥマン)元空軍参謀総長(96)は、「侵略された弱小国に対する軍事支援を反対する声が殺到するのは恥ずかしいことだ」と話した。

ありのままのロシア政府の蛮行に憤りを示すべきだ。ウクライナ国民は正義の手で支えてあげよう。ウクライナ戦争への支援や戦後再建による損得勘定は後の問題だ。ロシアとの関係もそうだ。正義という観点から見れば、優先順位の低い問題だ。