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「コピノが一発食わせた」

Posted June. 12, 2023 08:07,   

Updated June. 12, 2023 08:07

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映画「新世界」(2013年)や「魔女」シリーズ(2018、2022年)で韓国アクション映画で独歩的な領域を構築しているパク・フンジョン監督が、追撃アクション物「貴公子」で観客たちに会う。

21日公開の「貴公子」は、フィリピンの貧民街から始まる。不法賭博ボクシング場でボクサーとしてお金を稼いでいたコピノ(韓国人の父親とフィリピン人の母親との間に生まれたハーフ)マルコ(カン・テジュ)は、母親の病院費を賄うため、韓国人の父親の行方を調べる。ある日、父親が雇った弁護士という人がマルコを訪ねてくる。彼は、「お父さんもあなたにとても会いたがっている」とし、一緒に韓国に行けば病院費を解決してくれると約束する。

そんな見知らぬ人たちと一緒に飛行機に乗ったマルコ。気まずい思いで韓国に向かっている彼に、貴公子(キム・ソンホ)が近づく。にこにこ笑って自分を「友達」と紹介した彼は、マルコに「お前は死にに韓国へ行くんだ」という衝撃的な言葉を残し、韓国に到着するやいなやマルコを拉致する。辛うじて逃げたマルコは、その時から貴公子、腹違いの兄であるハン理事(キム・ガンウ)、疑問の女性ユンジュ(コ・アラ)にわけも分からないまま追われ始める。

映画は、前半を通してマルコがなぜ追われるのか、追う人たちの目的は何なのか手がかりを与えずに緊張感を高める。素足競走の追撃だけでなく、華やかな自動車の追撃戦も繰り広げる。後半部に登場する貴公子とハン理事の血が飛び散るアクションシーンは、映画のクライマックスとなる。映画は最近、劇場街で珍しい青少年観覧不可等級を受けた。

パク監督は8日、記者懇談会で、「以前から、コピノの話をとてもしたかった」とし、「差別を受ける人々が、差別し無視する人々に一発食わせる作品を構想した」と話した。

映画の中の人物は個性が強い。貴公子役のキム・ソンホはいわゆる「澄んだ目の狂人」のように、意味の分からない笑いを浮かべながらマルコを追い上げ、恐ろしい戦闘力で人々を殺す。キム・ソンホは、「事前準備の時、本当に狂った人としてキャラクターを決めた。純粋に追撃しながら楽しむ姿を見せようと努力した」と話した。パク監督は、劇中の人物である「貴公子」を作品タイトルに決めた理由について、「私は『きれいな狂人』キャラクターが好きだ」と話した。

新人俳優のカン・テジュは、3回にわたるオーディションの末、なんと1980対1の競争率を勝ち抜いてマルコ役に選ばれた。パク監督は、「韓国-フィリピンのハーフ役なので、特有の感じがあれば良いと思ったし、深い演技をしなければならないのでオーディションを几帳面に行った」と話した。


崔智善 aurinko@donga.com