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家計負債がGDPより多い唯一の国、負債の津波に備えるべきだ

家計負債がGDPより多い唯一の国、負債の津波に備えるべきだ

Posted May. 31, 2023 08:19,   

Updated May. 31, 2023 08:19

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2年間近く続いた通貨緊縮基調にもかかわらず、韓国の家計負債は、国家経済規模を考慮すると、世界主要国の中で最も多いと集計された。家計負債が国内総生産(GDP)を超えた国は、韓国が唯一だった。景気低迷が続く状況で、限界水準に達した家計負債が、金融と経済全般に連続的に衝撃を与えかねないだけに、先制的な対策作りが急がれる。

国際金融協会(IIF)の世界負債報告書によると、第1四半期基準で韓国のGDP比家計負債の割合は102.2%で、34ヵ国のうち最も高かった。韓国銀行の基準金利引き上げで、昨年下半期から家計負債の増加傾向が折れたにもかかわらず、依然として1位の不名誉から抜け出せなかったのだ。パンデミック期間中に自営業の危機と「借金による投資」のブームが重なり、未曽有に増えた家計負債を以前の水準に戻すには力不足だという分析が出ている。

1800兆ウォンを超えた家計負債は、景気低迷や物価高などとあいまって、融資不良と脆弱世帯の相次ぐ倒産につながる恐れが大きい。すでに、第1四半期に稼いだ以上を使った赤字世帯は27%にも上る。庶民が主に利用する貯蓄銀行の延滞率も、3月末に平均5%を超えた。低信用・低所得層、零細自営業者などの脆弱層から、負債危機の状況に追い込まれている。

国内外の機関が、今年の経済成長率の予測値を1%台前半に相次いで下げている中、危険な水準にまで増えた家計負債が、景気低迷を加速化する可能性も排除できない。韓銀は最近の報告書で、GDP比家計負債の割合が80%を越えれば、成長率が低くなり景気低迷の確率が高くなると警告したが、限界値をはるかに越えている。さらに、最近、融資金利の下落と不動産取引の増加で停滞していた家計負債が再び増える兆しを見せており、懸念が高まっている。

韓国経済のアキレス腱である家計負債をめぐる警告は、昨日今日のことではない。負債統計には含まれないが、韓国経済の雷管として浮上した伝貰(チョンセ=賃貸保証金)保証金や事実上家計負債に等しい自営業者向け融資まで含めれば、負債の津波が一気に押し寄せる可能性に備えなければならない。9月になれば、政府が新型コロナに対応して融資満期の延長と利息返済を猶予した措置も終わり、先制的に対応する時間があまり残っていない。政府と金融界は、負債総量を画期的に減らす一方、返済能力の落ちる債務者を集中的に管理し、不良が経済全般に広がることを防がなければならない。