Go to contents

クアッドと台湾海峡

Posted May. 23, 2023 08:14,   

Updated May. 23, 2023 08:14

한국어

初めて中国を訪問した時のことだ。ガイドが、中国は台湾侵攻の準備が整っていると言った。海辺に軍隊が待機しており、「主席が命令さえすれば」というムードだということだ。あれから30年が経った。最近、中国は台湾に侵攻するのかという質問をよく受ける。考えてみれば、30年間そのような質問を受けている。

「いいえ、そんな質問を30年間聞いたが、何も起こらなかった」と答えるなら、愚かな答えだ。300年間何もなかったとしても、明日起こりうるのが戦争だ。

しかも、今の状況はかつてないほど緊張度が高い。中国は30年前とは比較にならないほど強くなり、国際的な地位も高まった。米国とは対立しており、第3世界からの支持も集めている。ある人は、人民元が今やドル覇権を脅かしていると言う。一方、米国と欧州はウクライナ戦争だけでも大変で、経済状態は危うい。

30年の間に台湾の政治経済も激動した。軍隊と国民の防衛意識はかなり弱まった。今は反省し、覚悟を固めているというが、戦争の準備は一朝一夕にはできない。ただし、中国の膨張と海洋進出に対する懸念は数年前から十分に感じられていた。そこで結成した、いや結成されたというより結成されつつある戦略が、米国、日本、オーストラリア、インドが参加している集団防衛同盟であるクワッドだ。

クワッドは誕生した時から韓国にとって諸刃の剣であり、難しい選択だった。米国は加入を求め、中国は注視している。すでに国論は分裂しており、米国と中国の間で中立的な立場を維持することは容易ではない。本当の問題は、この状況がただとばっちりを受けるという状況ではないということだ。韓国の国力はすでに弱小レベルではなく、台湾問題は韓国と無関係ではない。

平和を維持するには2つの方法がある。紛争を起こさず、和やかな状態を維持する君子の方法と、激しく牽制して争い、互いを抑制する虎と狼の方法だ。君子の方法が最善だが、よくよく考えると、それは見せかけにすぎず、人類の歴史にそんな瞬間があっただろうか。