Go to contents

4月の銀行の家計向け融資が69%増、「緊縮終了」パーティーは早い

4月の銀行の家計向け融資が69%増、「緊縮終了」パーティーは早い

Posted May. 15, 2023 08:25,   

Updated May. 15, 2023 08:25

한국어

昨年、韓国内外の基準金利が急激に上昇し、昨年1年間だけで8兆ウォン近く減った韓国の家計向け融資が再び急増している。最近、銀行の融資金利が20ヵ月前の水準に下がり、不動産取引が蘇り、借金に対する家計の警戒心が減ったためだ。先進国の中で最高水準である家計負債がさらに増えれば、経済成長の足まで引っ張りかねないという懸念が出ている。

KB国民(クンミン)・新韓(シンハン)・ハナ・ウリィの4大銀行の固定型住宅ローンの金利は、現在年3.7〜5.8%の水準だ。最も低い金利は今年1月より1%ポイント以上下落し、韓国銀行が金利を引き上げ始めた直後の一昨年9月末の3.2%以降最も低い。固定金利より高い住宅ローンの変動金利も、やはり3%台への下落を目前にしている。

融資金利は、銀行の資金調達金利より大幅に下がっている。金融当局が、銀行が預金・融資金利差を利用して過度にお金を稼ぐことを指摘し、引き下げを圧迫した影響が大きかった。米国中小型銀行の相次ぐ破産で、米連邦準備制度(FRB)がこれ以上金利を高めるのは難しいという分析が力を得て、融資金利はさらに急速に下落している。

問題は、金利が安くなり、お金を借りようとする人がぐんと増えたという点だ。今年3、4月の4大銀行の新規家計融資は、昨年同月比86%と69%ずつ急増した。住宅ローンだけを見れば、上昇幅が93%と76%でさらに高くなる。これによって先月末、金融圏全体の家計向け融資は8ヵ月ぶりに増加傾向に転じた。住宅価格の高騰を体験した20代や30代が、「ヨンクル(魂まで集めて融資)」に再び乗り出したのではないかと懸念される。

韓国の国内総生産(GDP)比家計負債の比率は、経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち4位で、100%を超える。家主が借家人に返す伝貰(チョンセ、賃貸保証金)保証金を借金にすれば150%も超え、世界1位となる。このような状況で借金が減らず、むしろ増えれば、一般家計の仮処分所得が減って消費萎縮を招き、経済成長率まで下げることになる。

米国と基準金利の逆転幅が大きくなるにもかかわらず、2度も基準金利を3.5%に据え置いた韓銀の決定は、最近の融資増加に影響を及ぼしている。韓銀がいくら「緊縮は終わっていない」と強調しても、個人と家計は金利据え置きを緊縮終了と判断したのだ。韓銀と金融当局は、家計負債増加を深刻な金融システムの危険シグナルとして受け入れ、これに合わせて通貨・金融政策を再検討しなければならない。