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2071年のソウル、酸素配達をする宅配ドライバー ネットフリック映画「宅配人」

2071年のソウル、酸素配達をする宅配ドライバー ネットフリック映画「宅配人」

Posted May. 11, 2023 07:38,   

Updated May. 11, 2023 07:38

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2071年、彗星衝突で荒廃したソウル。漢江(ハンガン)は砂漠の砂で覆われ、南山(ナムサン)ソウルタワーは、凄惨に真っ二つに割れている。激しい大気汚染で、マスクなしでは生活できない状況。生き残った1%の人々は、階級によって酸素を配給される。酸素を統制するのはチョンミョングループ。チョンミョングループ所属の伝説の宅配運転手「5-8」(キム・ウビン)は、昼は酸素と生活必需品を配布して生き残った人々の生存に責任を負い、夜は「ブラックナイト」になって平等な世の中を作るために戦う。

ネットフリックスのオリジナルドラマ(6部作)「宅配運転手」が12日、世界で同時公開される。イ・ユンギュン作家の同名ウェブトゥーンが原作だ。ソウル永登浦区(ヨンドゥンポグ)のプロヴォークソウルで10日開かれた製作発表会で、演出を引き受けたチョ・ウィソク監督は、「原作ウェブトゥーンの世界観がとても良かった。宅配運転手が酸素と生活必需品を運ぶ未来の姿が気に入った」と話した。

主人公「5-8」役を演じたキム・ウビンは、「わずかこの前までは、私たち皆がマスクをしていたが、もしかしたら未来にこのようなことが起こるかもしれないという気がした」とし、「難民の苦痛を思い出して、皆が幸せな世の中はどんな世の中なのだろうかと思いながら演じた」と話した。

製作費が250億ウォンと言われている「宅配運転手」は、コンピューターグラフィック(CG)で漢江橋と江南(カンナム)通り、ロッテワールドタワーなど、荒廃したソウル各地を実感できるように具現化した。ネットフリックスのドラマ「スイートホーム」「イカゲーム」を担当した視覚特殊効果専門スタジオ・ウェストワールドがCG作業を担当した。180人余りが10ヵ月以上、後半作業をしたという。チョンミョングループの後継者として5-8と対抗するリュ・ソク役を引き受けたソン・スンホンは、「慣れたソウルの姿がCGで具現されたのを見れば、新しく感じられるだろう」と話した。

作品内における多様な設定も目を引く。酸素が統制される世の中で、選ばれた少数は呼吸の心配なく青々とした木まで育つ「コア区域」に、その下の階級の住民たちは直方体で同じように建てられたコンテナボックスのような家で、酸素と生活必需品を配給され生きなければならない。また、さらにその下の階級である難民たちは、日雇いやハンターになって厳しい暮らしを強いられる。身分は、体に刻まれたQRコードで証明する。

一部からは、ディストピア的世界観と設定、CGなどが映画「マッドマックス」シリーズを連想させるという指摘もある。チョ監督は、「マッドマックスとは異なる毛色の話だ」とし、「5-8は、ディストピアに暮らしながらユートピアを夢見る人物で、世の中がもう少し幸せになってほしいという(私の)思いが溶け込んでいる」と話した。


崔智善 aurinko@donga.com