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頑固爺さん、隣人一家との触れ合いを通して笑顔を取り戻す

頑固爺さん、隣人一家との触れ合いを通して笑顔を取り戻す

Posted March. 28, 2023 08:30,   

Updated March. 28, 2023 08:30

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自分のことを理解してくれたたった一人の人がこの世を去った。残された人を立ち直らせるものは何か。

生きる気力を無くした老人が陽気な隣人と出会って笑いを取り戻す映画「オットーという男」が、29日に公開される。主人公のオットー(トム・ハンクス)は生きることに対する意欲がない。人生に輝きを与えてくれた妻ソニア(レイチェル・ケラー)が亡くなった後、彼の人生はモノクロ映画になってしまった。妻のいない世界には、礼儀知らずでいら立たせる人たちばかりがいる。オットーは生きる理由が見つからず、この世を去ることを決意する。

いつも不機嫌で、気難しいことでは世界一と言われる「頑固爺さん」オットーは、自ら命を絶つ前に身の回りの整理をする。家の電気を止め、電話も解約する。請求された料金もちゃんと支払う。

ついにすべての準備が整った。天井からロープを吊るし、首にかけようとした瞬間、オットーの気に障ることが目に入る。初心者ドライバーが向かい側の道路で駐車しようと何度もやり直しているのだ。近所が騒々しいことを死ぬほど嫌うオットーは、道に飛び出す。そこでオットーは、新しく引っ越してきたマリソル(マリアナ・トレビーニョ)一家と出会う。

陽気で人懐っこいマリソルとその夫、そして2人の娘は、オットーの暮らしに徐々に溶け込んでいく。オットーは妊娠中のマリソルに運転を教え、孫娘のような娘たちの世話をして、生きる喜びを取り戻す。マリソル家族のおかげで、オットーの暮らしは再び彩りを得る。

「オットーという男」は、スウェーデンの小説および同名映画「幸せなひとりぼっち」のハリウッドリメイク作品。オットーを演じるトム・ハンクスは、重厚な演技で感動を与える。今年66歳のトム・ハンクスは、ぴったりした服を着たように、気難しいが憎めず、愛おしい老人オットー演じた。映画は明るい春の陽気のように、観客の心を温かくしてくれる。

映画のプロデューサーはトム・ハンクスの妻リタ・ウィルソンが担った。リタは、スウェーデン映画「幸せなひとりぼっち」を見て、トム・ハンクスに「あなたはこの役をやるべき」と言ったという。若いオットーを演じるのはトム・ハンクスの息子、トルーマン・ハンクスだ。トルーマン・ハンクスは妻となるソニアと恋に落ちる若い青年の感情を繊細に表現した。


崔智善 aurinko@donga.com