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ナチスの迫害逃れて安値で売却したピカソ、元所有者の子孫が返還求めてグッゲンハイム美術館を提訴

ナチスの迫害逃れて安値で売却したピカソ、元所有者の子孫が返還求めてグッゲンハイム美術館を提訴

Posted February. 01, 2023 08:47,   

Updated February. 01, 2023 08:47

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米ニューヨークのグッゲンハイム美術館が所蔵するパブロ・ピカソ(1881~1973)の傑作「アイロンをかける女性」(1904年)の返還を求める訴訟が提起された。

20日(現地時間)、ワシントンポストをはじめ米国メディアが報じたところによると、今回の返還訴訟はユダヤ系ドイツ人のカール・アドラー氏の遺族たちが訴訟を起こした。1938年、ナチスの迫害を逃れて欧州の各地を転々としていたアドラー氏としては作品を安値で売らざるを得なかったため、取引自体が無効だという主張だ。

痩せ衰えた女性がくぼんだ目をして辛うじてアイロンをかけている油彩画は、ピカソが主に暗い青緑を使った「青の時代」の代表作に挙げられる。市場価格は最大2億ドル(約2463億ウォン)に達するものと推定される。

遺族によると、成功した実業家だったアドラーは1916年にユダヤ人画廊経営者ハインリッヒ・タンハウザー氏からこの作品を購入した。しかし、ナチスのユダヤ人迫害が本格化すると、家族とドイツを離れた後、財産をほとんど使い果たしたアドラーは1938年、ハインリッヒ氏の息子ユスティン・タンハウザー氏に作品を売却した。価格は1552ドル、現在の価値に換算すると約3万2000ドル(約3941万ウォン)に過ぎない。

遺族たちは1932年当時、この作品を1万4000ドルで出したという証明書を根拠に、「非正常取引だ」と主張した。グッゲンハイム側は、「この作品をタンハウザー側から寄贈を受けた1970年代にアドラーの息子に連絡を取った際、何の問題も提起しなかった」とし、「正常な取引だ」と主張している。


イ・チョンア記者 clearlee@donga.com