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法人税引き下げ、「理念」ではなく「国益」の観点から見よ

法人税引き下げ、「理念」ではなく「国益」の観点から見よ

Posted December. 14, 2022 08:34,   

Updated December. 14, 2022 08:34

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与野党が定期国会の会期を越え、15日には来年度予算案を処理することにしたが、法人税の引き下げに対する見解の相違で突破口を見出せずにいる。むしろ状況は混沌と化している。予算付随法案の次元を越え、新旧権力の哲学や理念、ひいては勢力争いに飛び火したような様相だ。

政府・与党は、「政府は代わった。過去に執権した人々が同じ価値と理念で政府を運営しろと言っている」と批判し、最大野党「共に民主党」は、「到底譲歩できない超富裕層減税だ。断念しろ」と迫る。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が「大企業だけの減税ではない。経済活力のために処理しなければならない」と言うと、同党は「大統領が国会と直接交渉し、談判することを望む」と対抗した。

政府・与党は、法人税の最高税率を25%から22%に下げることを求めている。経済協力開発機構(OECD)38ヵ国のうち7位水準の法人税を引き下げ、半導体をはじめ先端産業の投資を誘引しようという論理だ。実際、ライバルである台湾の法人税の最高税率は20%。地方税まで考えれば、税率の差は7.5ポイントにもなる。税負担の差が大きいため、投資の制約になるほかない。民主党は、税負担が減れば、配当などで総帥一家だけが利益を得る「超富裕層減税」と主張するが、投資が拡大し、雇用も増え、少額株主の配当も増加し、経済全体の好循環につながる。

法人税引き下げをめぐる政府・与党と野党の論争が「経済論理」ではなく「政治論理」に流れることは望ましくない。米中競争によって世界の投資家が中国を離れて新たな投資先を探している。急増する貿易収支赤字など危機要因を相殺するには、投資誘致が切実な状況だ。このような脈絡で法人税の引き下げが提起されたにもかかわらず、超富裕層減税という政治フレームだけで見るのは井戸の中の蛙の認識と言わざるを得ない。

国益を最優先に置き、経済論理で法人税引き下げ問題に対する解答を見出さなければならない。経済6団体が「戦時には、平時に使う刀は使えない」とし、連日法人税引き下げを訴える声明を出している現実を直視しなければならない。この声明には、中小企業中央会、韓国中堅企業連合会なども参加している。韓国の経済成長率が来年には1%台に下がり、再来年まで低成長が懸念される切迫した状況だ。党のアイデンティティや理念問題を念頭に置いている時ではない。政府・与党も野党と対峙するのではなく、予算案の期限前に大局的な合意を引き出す案を急いで設けることを望む。