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ゲームチェンジャー

Posted September. 06, 2022 08:55,   

Updated September. 06, 2022 08:55

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ウクライナ戦争で米国の高機動ロケット砲システムがゲームチェンジャーの役割をしている。米国が提供した長距離曲射砲、レーダー波追跡ミサイル、フェニックス・ゴーストのような最新型ドローンも期待どおりの、あるいはそれ以上の活躍を見せている。一方、ロシアの兵器はスペック上の性能を見せることができず、嘲笑の的になっている。

ロシアの兵器の評価は失墜している。実はこのような事態は初めてではない。1948年に始まった中東戦争の時、米国とソ連は先を争って自国の兵器を提供した。ソ連が提供した兵器の中で、第4次中東戦争でイスラエル戦車部隊を壊滅させたサガー対戦車ミサイルや無敵イスラエル空軍を壊滅させたSA6のようなゲームチェンジャー級の新兵器が活躍した場面もあったが、全体的にソ連製の兵器の評判は戦争前より下がった。エジプトのナセル大統領は、フルシチョフにソ連兵器の支援を強く要請した。フルシチョフは躊躇した。実戦でソ連製の兵器の虚像が明らかになれば、国際兵器市場で注文が減り、価格が下がるという理由からだった。

ロシア兵器の屈辱、米製兵器の善戦はどこに原因を見つけることができるだろうか。射程、発射速度、破壊力といった諸元上の数値では検証が難しいのが、実戦での性能だ。同じ訓練を受け、同じ装備を身に着けても、実戦で戦闘経験のある兵士とない兵士では、能力に5倍、10倍以上の差が出る。兵器も同様だ。

もう一つが品質のバランスだ。超高強度の砲身を持った野砲のタイヤが不良品であるとか、車輪軸のねじが簡単に折れて無用の長物になることもある。軍需産業は、不正の温床になりやすい。戦争を経験せず、射撃場や倉庫で寿命を終える兵器も多い。些細だが致命的な不良品であることが隠される構造だ。

戦争を多くした国が戦争に長けている。平和を死守する国は、戦争が起こると、平和を死守することが難しい。これが戦争と平和のパラドックスだ。