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フランスの海岸に高さ13メートルの彫刻、文信にスポットライト

フランスの海岸に高さ13メートルの彫刻、文信にスポットライト

Posted September. 02, 2022 09:14,   

Updated September. 02, 2022 09:14

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フランス南部のバカラスのビーチには、高さ13メートルの木の彫刻が立っている。韓国近代芸術家の文信(ムン・シン、1922~95)の「太陽の人間」という作品で、1970年にバカラスで開かれた国際彫刻シンポジウムで初めて公開された。現地では今年、文信誕生100年を迎え、関連フェスティバルが開かれるという。

ソウル中区の国立現代美術館徳寿宮館で1日から開催された企画展「文信:宇宙に向けて」は、遠い他国でなぜ文信という芸術家にスポットライトをあてるのか垣間見ることができる機会だ。絵画や彫刻など232点とアーカイブ約100点を通じて、文信の人生と芸術活動全般が紹介される。

文信は、日本の植民地支配期、九州の炭鉱村で韓国人移住労働者の父親と日本人の母親の間に生まれた。5歳の頃に帰国し、父親の故郷である慶尚南道馬山(キョンサンナムド・マサン)で幼年期を過ごし、16歳で再び日本に渡って日本語を勉強した。

文信の絵は大胆でダイナミックだ。1945年に帰国し、主に描いた馬山の風景は特に印象的だ。第1展示場の入り口に彫刻作品「漁師」(1946年)があり、これを絵に描いたのがすぐ隣の「漁」(1948年)だ。漁民の荒々しい暮らしぶりが生き生きと伝わる。

1961年にフランスに渡った文信は、彫刻家として第2の人生を迎える。渡仏画家の金興洙(キム・フンス)画伯(1919~2014)の紹介で、パリ北西の「ラヴネル」古城の工事現場で働き、石や砂の質感に魅了された。美術館側は、「造形の基本単位である円と線を様々な方法で結合し、形態そのものからリズム感と音律を感じることができる」と説明した。特に、観覧客が彫刻作品を見て「アリに似ている」と言ったことがそのままタイトルになったという「アリ」(1970年)や展示の副題に付けられた彫刻シリーズ「宇宙に向かって」は、文信の深く挑戦的な作品の世界をうかがわせる。来年1月29日まで。2000ウォン。


キム・テオン記者 beborn@donga.com