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検察捜査権はく奪法改正案を巡る文氏と尹氏の場外攻防、恥ずかしくないのか

検察捜査権はく奪法改正案を巡る文氏と尹氏の場外攻防、恥ずかしくないのか

Posted April. 27, 2022 08:36,   

Updated April. 27, 2022 08:36

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領が25日、記者懇談会で、「朴炳錫(パク・ビョンソク)国会議長の仲裁で行われた与野党の合意はうまくいったと考える」と話した。経済・腐敗事件を除く検察の直接捜査権を奪い、1年6ヵ月後に検察の捜査権をなくす仲裁案に賛成したのだ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領は同日、張済元(チャン・ジェウォン)次期大統領秘書室長を通じて、「検事総長辞任当時、『検捜完剥(検察捜査権の完全剥奪)は腐敗が完全に幅をきかせる社会』であり、『憲法の精神に大いに反する』と言った考えに全く変わりはない」と明らかにし、再協議を求めた。張氏は26日には、「文氏が仲裁案に拒否権を行使すると考える」とし、文氏に迫った。

文氏は、与党「共に民主党」による任期末の検捜完剥立法の強行について終始一貫して曖昧な態度だった。昨年2月にも推進していたが、尹氏が検事総長を辞任して中断した。「共に民主党」が大統領選敗北直後に再び推進したのだが、大統領府は「国会の時間だ」と言って立場を示さなかった。文氏は25日の記者懇談会でも、「共に民主党」が法案を強行する理由について「話さない」とし、質問の返答を2度も拒否した。検捜完剥法が検察改革のために必要なら、文氏は昨年にまとめるべきだった。論議の多い法案を任期が終わろうとする時に無理に推進しなければならない理由は自らも納得できないのではないのか。

「尹核関(尹氏の核心関係者)」とされる側近の「国民の力」の権性東(クォン・ソンドン)院内代表が、国会議長、「共に民主党」と署名した合意案を3日で手の平を返すように反対した尹氏の態度も辻褄が合わない。政権引き継ぎ委員会側は26日、「尹次期大統領は、仲裁案の合意当日、院内代表から状況の報告を受けた。いかなる介入や注文もしていない」と述べた。13日後に国政最高責任者となる次期大統領の説明としてはあまりにもお粗末だ。次期大統領が政治に足を踏み入れる契機になった検捜完剥法の仲裁案の内容を具体的に知らなかったとしたら問題であり、知っていながら最初は放置し後になって態度を変えたのならさらに問題だ。

 

刑事司法システムは国家の根幹なので、改正に慎重でなければならない。特に70年ぶりに最大の変化をもたらす法案を現在の権力は賛成し、未来の権力が反対する混沌の中で処理するのなら、法的安定性は大きく揺らぐほかない。文氏は「共に民主党」の立法暴走を放置したという責任から、尹氏は合意案を覆して混乱を煽ったという責任から自由ではない。文氏と尹氏は今になって問題を大きくする方向で場外攻防を繰り広げている。国民に恥ずかしくないのか。