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北朝鮮はなぜ「火星15」を発射して「17」と偽装したのか

北朝鮮はなぜ「火星15」を発射して「17」と偽装したのか

Posted March. 29, 2022 08:50,   

Updated March. 29, 2022 08:50

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北朝鮮が24日に発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)に対して韓米情報当局が「火星15」との見方を示し、北朝鮮がこれを「火星17」と偽装した意図に注目が集まっている。

まず、韓国の次期政権を念頭に置いているものとみられる。北朝鮮が昨年末から「核実験とICBM発射のモラトリアム(一時停止)」宣言破棄の脚本を作り、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権発足前に火星17の発射、7回目の核実験の挑発を企画したということだ。

火星17を2月27日と3月5日に「宇宙発射体」を装って飛行距離を減らして発射実験した後、3月16日に高角発射を試みたが、空中爆発で失敗したため計画を立て直したと、韓米情報当局は見ている。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が指示した挑発シナリオの完結のために、24日に火星15を発射し、火星17と発表する欺瞞戦術を展開したということだ。軍消息筋は、「発射翌日(25日)に公開された写真や映像も、以前の2度の飛行距離縮小発射で撮影したものをつぎはぎした可能性がある」と指摘した。

史上初の「核・ICBM同時挑発」を念頭に置いた可能性もある。北朝鮮が2020年10月、党創建軍事パレードで公開した火星17は計4基だった。韓米情報当局の判断どおりなら、このうち3基は使用され、残っているのは1基ということになる。

北朝鮮が16日の空中爆発の原因を分析して補完し、尹政権発足の直前か新政権の初の韓米首脳会談を狙って火星17の発射と7回目の核実験を同時に強行するという可能性が提起されている。核実験とICBMの発射を1、2ヵ月の間隔を置いて行った前例に反して同日または翌日に高強度の戦略挑発に出た場合、その衝撃は大きくならざるを得ない。

北朝鮮は、韓米当局の「偽装」分析の発表にもかかわらず、ICBM発射実験の成功宣伝に熱を上げた。労働新聞は28日、「敬愛なる金正恩同志が、火星砲17の発射実験の成功に貢献した国防工業部門の人々や科学者、技術者、労働者と記念写真を撮られた」と報じた。

正恩氏はこの席で、「真の防衛力は、強力な攻撃能力だ。誰も止められない恐るべき攻撃力、圧倒的な軍事力を備えてこそ、戦争を防止して国家の安全を担保し、いかなる帝国主義者たちの脅威・恐喝をも抑制できる」と強調した。また「強力な攻撃手段をさらに多く開発し、軍隊に配備する」とも述べた。


尹相虎 ysh1005@donga.com · 崔智善 aurinko@donga.com