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路上に散乱する子どもの遺体…「地獄だけが残った」

路上に散乱する子どもの遺体…「地獄だけが残った」

Posted March. 22, 2022 08:26,   

Updated March. 22, 2022 08:26

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「路上に散乱した遺体の中に子どもの遺体もある。ロシア軍に包囲された都市に閉じ込められ、雪を食べて持ちこたえた人々は、空腹のため飼い主のいない犬まで食べている」

ウクライナ東南部の港町マリウポリの21日(現地時間)の様子だ。ロシアはこの都市を制圧するために攻勢を強め、デッドラインを決めて降伏を求めたが、市当局が降伏を拒否し、都市全体が壊滅危機にある。英紙フィナンシャル・タイムズは、「ウクライナの最も重要な港町のマリウポリが、今やゴーストタウンとなった」と伝えた。

●ロシア、戦争の勝敗に直結、マリウポリ陥落に執着

 

ロシア軍は20日、マリウポリ市に21日午前5時(韓国時間午前11時)までに武器を捨てて都市を明け渡すよう求め、夜が明ける前に降伏すれば、民間人の避難ルートを開放すると迫った。マリウポリ市当局は降伏の代わりに「時間を浪費せず、人道主義的避難ルートを開放せよ」とロシア軍に手紙で伝えた。するとロシア陸海空軍は一層激しい爆撃を加えた。

ロシアがマリウポリの陥落に執着する理由は、今回の戦争の勝敗に直結するためだ。マリウポリは2014年に併合したクリミア半島と東部ドンバス内の親ロシア勢力が建てたドネツク人民共和国をつなぐ地点に位置しており、ここを占拠すれば南、東部戦線がつながり、ウクライナ軍を倒すことが容易になる。米紙ワシントン・ポストは、「マリウポリを制圧すれば、首都キエフと第2の都市ハルキエフまで南北で包囲でき、制圧の可能性が高まる」と分析した。

● 「第2次大戦でのレニングラードのように完全に破壊」

 

マリウポリの人口47万人のうち15万人は今月初旬に都市を離れた。残った32万人のうち20万人も脱出を試みたが、ロシア軍に包囲され、食糧や水道、ガス、電気が全て断たれた状態で3週間以上都市に閉じ込められている。

住民のミコラ・オシチェンコさんは、「地下室に一緒にいた人々と、とても喉が渇いたので、ヒーターにあった水を飲み、雪も溶かして飲んだ。小川にも行ったが、小川に長い列ができると、ロシア軍の空爆ターゲットになった」と話した。そして、「爆弾が落ちる度に息子を庇うが、息子を守ることができないと分かっているので、無力感を覚えた」と話した。マリウポリでは空爆で死亡した人々の遺体を収容することすら危険で、野良犬が放置された遺体を食べる様子も目撃されている。

避難する場所を探している時に爆撃を受けて娘と4歳の孫娘を失ったブラディミルさんは、BBCに次のように話した。「地面を見ると、孫娘の頭がひどく損傷していた。そばにいた娘も足に重傷を負い、翌日に息を引き取った。神よ、なぜ私にこのような試練を与えるのですか」

学校の地下室の防空壕で200人余りと共に避難していたクリスティーナ・ゾラスさんは、スカイニュースに、「空爆の時、ある女性が尻に破片を受けた。救護が到着するまで、その状態で1日耐えなければならなかった女性はとても苦しみ、毒薬を叫び求めた」と話した。そして、「寝る時も爆撃が続き、目を開けると子どもたちを体で覆ったまま、どこに落ちるかわからない爆弾を待った」と語った。

欧州連合(EU)外交官のうち最後にマリウポリを離れたギリシャ総領事のマノリス・アンドルーラキス氏は、自国に到着後のインタビューで、「マリウポリが、第2次世界大戦でドイツ軍の長期包囲で100万人以上が死亡した港町レニングラード(現サンクトペテルブルク)のように戦争で完全に破壊された都市として記憶されるだろう」とし、「私が見たことを誰も見ないよう願う」と話した。

 

あるウクライナ兵士は、「マリウポリでの最後のメッセージ」という動画で、バイデン米大統領、マクロン仏大統領の名前を叫び、「約束した兵器と弾薬はまだ到着していない」と訴えた。


金潤鍾 zozo@donga.com · 任寶美 bom@donga.com