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文大統領と尹氏の初会合が延期、協治・統合の政治的負担がさらに大きくなった

文大統領と尹氏の初会合が延期、協治・統合の政治的負担がさらに大きくなった

Posted March. 17, 2022 09:01,   

Updated March. 17, 2022 09:01

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16日に予定された文在寅(ムン・ジェイン)大統領と尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領の昼食会合が行われなかった。大統領府は会合の4時間前に、「実務協議が終わらず日程を改めて決めることにした」と明らかにした。尹氏側も会合の延期を伝え、「理由については明らかにしないことで合意した」とだけ述べた。ただし双方は、実務協議を続け、会合の日を改めて決めると明らかにした。

政権交代期に新旧権力間の軋轢は避けられないとしても、このように事前に予告された会合が突然延期になることは初めてだ。大統領選が終わって、退任する大統領と就任する時期大統領が会って当選を祝い、順調な政権引き継ぎを約束することは、儀礼的なイベントであっても韓国政治の民主的成熟を示す指標だ。しかし、今回そのような慣行的な最初のボタンから掛けられず、感情の溝を露わにしたことは遺憾だ。

会合延期の理由は明らかでないが、李明博(イ・ミョンバク)元大統領の恩赦や公共機関の人事問題など各種議題をめぐる意見の相違のためだろう。会合に先立ち、大統領府と尹氏側は神経戦を繰り広げた。尹氏側は、恩赦決定権者の意思に関係なく李氏の恩赦を迫った。任期末の大統領府の人事権行使をめぐっても、尹氏側は事前協議を注文し、大統領府は「5月9日まで人事権の行使は当然だ」と対抗した。尹氏の民情首席秘書官室廃止の発表をめぐっても、大統領府は「私たちがしなかったことを根拠にするのか」と反発した。

このように対立が露わになった状況で文大統領と尹氏が会ったなら、穏やかな席にはならないだろう。スムーズな政権引き継ぎといった話なら十分な席だが、両者が各々勝者の「権利行使」、「国会権力」を掲げて自尊心争いをし、このような結果を生んだのだろう。会合の延期で双方の政治的負担は一層大きくなった。自制し配慮し合うことで妥協の成果を見出すことができなければ、韓国政治はより荒廃し、索漠とするほかない。

3月9日の大統領選の結果は自明だ。与党の敗北は現政権に対する厳しい審判だった。同時に野党の薄氷の勝利は謙虚であることの注文だった。選挙直後、大統領府と尹氏いずれも統合と協治を誓った。しかし、退く権力は5年前の過去を振り返ることなく、新たな権力は5年後の未来を見通していない。これでは不幸な大統領の歴史は繰り返されざるを得ない。