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重症者と死者は増え続けるも「接種が重要」以外に対策なし

重症者と死者は増え続けるも「接種が重要」以外に対策なし

Posted March. 08, 2022 08:51,   

Updated March. 08, 2022 08:51

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防疫当局は7日、全国の新型コロナウイルス感染症の危険度の等級を、5段階(非常に低い~非常に高い)のうち、最高段階の「非常に高い」と評価した。今年に入って、全国基準の新型コロナの危険度は、引き続き「中間」または「高い」だったが、初めて「非常に高い」の段階に悪化したのだ。今月中に感染者数がピークに達しても、重症者と死者が増加し続け、今後の医療体系に大きな負担を与えるという懸念も続いている。

●「ステルスオミクロン」が1週間で倍増

中央防疫対策本部(防対本)は毎週、18の指標を通じて、韓国国内の新型コロナの状況がどれほど危険かを評価している。最近、急激に悪化した指標は、重症者と死者数、重症者の病床稼働率などだ。

7日0時基準の韓国国内の重症者は、前日より70人増の955人だった。彼らは皆、人工呼吸器などの機械に呼吸を依存する「新型コロナの重症者」だ。これに新型コロナに感染され重症者の病床に入院したが、自発呼吸ができるため、「重症者」の統計に含まれない人も688人にのぼる。すなわち、新型コロナの重症者の治療病床に入院した人は、計1643人に達している。

同日0時基準で、死者も139人で、5日連続で3桁と集計された。重症者の病床稼動率は59.8%で、1カ月前の2月7日の稼動率(18.4%)の約3倍に達した。

最近、「オミクロン株」の細部系統である「BA.2型」(ステルスオミクロン)の感染者も増えている。この1週間(2月27日~3月5日)のステルスオミクロンの韓国内感染検出率は22.9%で、前の週(10.3%)の約2倍に増加した。疾病管理庁の鄭銀敬(チョン・ウンギョン)庁長は、「世界保健機関(WHO)の評価によると、ステルス・オミクロンは従来のオミクロンより約30%伝播力が強い」とし、「海外の研究結果を見れば、(既存のオミクロンと)重症化率に大きな差があるとは考えられない」と説明した。

●事実上「自主防疫」に任せた政府

防疫当局は、現在の流行は3月中旬ごろにピークに達し、この時の1日の感染者数は最高で35万人に上るであろうと見ている。問題は、流行のピークが過ぎても、重症者と死者数は減少に転じないだろうという点だ。

特に専門家らは、昨年末の「病床大乱」がそのまま繰り返されるリスクが高まっていると懸念している。嘉泉(カチョン)大学キル病院感染内科のオム・ハンシク教授は、「感染者がピークに達してから1、2週間は重症者が、3、4週間は死者が大きく増えるだろう」と予想した。また「昨年末の病床不足で、首都圏の重症者が非首都圏の病院に入院していた現象が繰り返される可能性がある」と懸念した。

政府は、ワクチン接種の重要性を強調している。保健福祉部の權德喆(クォン・ドクチョル)長官は7日、中央災難安全対策本部での会議で、「オミクロン株の致死率は、ワクチン接種の完了者には0.08%でインフルエンザに近いが、未接種者には0.6%でインフルエンザの6倍以上だ」とし、「オミクロン株のリスクがインフルエンザの水準と見られるのは、ワクチンを接種した時だけだ」と強調した。

しかし、接種の重要性を繰り返し説明すること以外は、他の方法は出していない。1日から防疫パス(接種証明・陰性確認制)が中止となり、防疫当局のレベルではワクチンの接種を促す誘引が消えた。ソーシャルディスタンスも緩和され続けている。中央事故収拾本部の孫映萊(ソン・ヨンレ)社会戦略班長は、「これからは、接種を受けていない人は、自主的にワクチン接種を受けなければならない」とし、「それが嫌なら、最大限感染しないよう自ら努力しなければならない」と述べた。


キム・ソヨン記者 ksy@donga.com