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ウクライナ発経済戦争、韓国「砲煙の中の成長」綱渡りが始まった

ウクライナ発経済戦争、韓国「砲煙の中の成長」綱渡りが始まった

Posted February. 26, 2022 08:21,   

Updated February. 26, 2022 08:21

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ロシアのウクライナ侵攻直後、米国は西側同盟国と共にロシアの大手銀行の資金取引を断ち、ハイテク製品の輸出を禁止する経済制裁に着手した。金融機関の資金源を遮断する一方、航空、半導体、通信関連品目の対ロシア輸出を規制することで、金融と産業に同時に圧力をかけるという戦略だ。一方、中国はロシア産小麦の輸入を完全に開放するなど、中ロ経済協力の強化に乗り出した。新たな冷戦が懸念される中、世界経済が西側と非西側陣営に二分されつつある。

 

今回の事態で、ただでさえ不安な世界経済に暗雲が垂れ込めている。ロシアは世界第1位の天然ガス輸出国であり、世界の小麦輸出量の3割を占めている。戦争が長期化すれば、エネルギーと穀物、原材料の価格が急騰する「スーパースパイク」現象が現れる恐れがある。国際石油価格が1バレル120ドルを超え、150ドルに達するという暗鬱な見通しが現実になれば、世界各国の苦しみは倍加されるほかない。

韓国経済は3ヵ月間連続の貿易赤字、国際石油価格1バレル100ドル突破、10年ぶりに3%台の物価上昇など内外の悪材料に苦しんでいる。このような状況で起こったウクライナ事態で、半導体や自動車など主力製品のロシア輸出の道が閉ざされ、現地生産が全般的に萎縮した。ここに供給網のかく乱でエネルギー価格と原材料の価格が上昇すれば、国内の物価がさらに上がり、その影響で金利引き上げ幅が大きくなり、景気が萎縮する悪循環に陥る。 

 

今、世界各国は視界ゼロの不確実性の時代に入り込んでいる。このような状況で、韓国政府はロシア経済制裁に参加すると共に、低成長を支えなければならない課題を抱えている。企業は高物価、高為替、原油高の複合危機に直面し、家計は借金に苦しみ、株と不動産市場の急激な変動で茫然としている。経済の主導者が足を踏み外せば、奈落へと落ちかねない。韓国経済の不安な綱渡りはすでに始まった。