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カナダ、ワクチン反対トラックデモで物流マヒ…初の緊急事態法発動

カナダ、ワクチン反対トラックデモで物流マヒ…初の緊急事態法発動

Posted February. 16, 2022 09:08,   

Updated February. 16, 2022 09:08

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カナダのトルドー首相が、新型コロナウイルスのワクチン接種の義務化に反発して先月28日から全国各地でデモを繰り広げている「トラックデモ隊」に対して、緊急事態法を発動するなど強硬対応に出た。1988年に制定された緊急事態法が実際に発動されたのは初めて。

 

トルドー氏は14日、首都オタワで記者会見を行い、「違法で危険な行為を続けさせるわけにはいかない。もう家へ帰らなければならない時だ」と述べた。トルドー氏は、動員されたトラックを全て牽引し、デモ隊の銀行口座を凍結したほか、オンライン資金募金を通じてデモ隊を支援したクラウドファンディングサイトにもマネーロンダリング防止法違反の疑いを適用して捜査すると明らかにした。

トルドー氏が「刀」を抜いた理由は、デモによる社会混乱と経済的損失が深刻な水準に達したと判断したためとみられる。カナダのオンタリオ州ウィンザーと米ミシガン州デトロイトをつなぐ橋梁で両国の貿易の3割を担う「アンバサダー橋」は、トラックデモ隊が占領して7日から13日まで麻痺した。これにより、デトロイトが本拠地のゼネラルモーターズ(GM)やフォードなど主要自動車メーカーも部品が適時に供給されず、稼動が停止した。カナダ財務省は、デモによる1日の損失が3億9千万ドル(約4680億ウォン)にのぼると明らかにした。 

 

「自由護送隊」を自任するトラックデモ隊は、政府のワクチン義務化の措置が基本権と市民の自由を深刻に侵害すると主張している。政界の一部でも、緊急事態法の発動がデモ隊を刺激し、かえって危険な状況を触発すると懸念を示した。ケベック州のフランソワ・ルゴー首相は、「社会のムードに役に立たない措置」と指摘した。

 

緊急事態法の前身は戦時特別法だ。第1、2次世界大戦の時と1970年のケベックの分離主義団体が武装蜂起を起こした時など過去3回発動された。1970年当時、首相はトルドー氏の父親の故ピエール・トルドー元首相だった。AP通信は、父子が緊急事態法を発動する記録を残したと伝えた。


李恩澤 nabi@donga.com