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平和の時代を開いた「キッシンジャー外交」

平和の時代を開いた「キッシンジャー外交」

Posted January. 22, 2022 08:21,   

Updated January. 22, 2022 08:21

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「過去が国家の未来の政策的選択の幅を制限してはならない」

20世紀後半、米国務長官として世界の外交を主導したヘンリー・キッシンジャー氏の言葉だ。今年、数え年で100歳となるキッシンジャー氏は、現代史で独特の地位にいる人物だ。キッシンジャー氏は、大統領や首相のような最高権力者ではなかったが、1969~77年、世界は彼を中心に動いた。

 

キッシンジャー氏の「武器」は外交だった。この時期に彼は、国家安保補佐官、国務長官として外交を通じた平和の時代を開いた。71年に中国を秘密裏に訪問し、ニクソン大統領の訪中の道を開いたほか、超強大国として対立した米国と旧ソ連のデタント(緊張緩和)を構築した。キッシンジャー氏は72年、中東和平調停に努めたのに続き、73年には北ベトナムとの平和協定の締結に成功し、その功労でノーベル平和賞を受賞した。

著者の姜聲鶴(カン・ソンハク)高麗(コリョ)大学名誉教授は、エイブラハム・リンカーン、ウィンストン・チャーチル、ジョージ・ワシントン、ハリー・トルーマンなど偉大な政治家のリーダーシップにスポットライトを当ててきた。

800ページ以上の同書は、ユダヤ人家庭で生まれたキッシンジャー氏のドイツ脱出から第2次世界大戦の参戦、国際外交舞台での活躍などを扱い、いわゆる「キッシンジャー外交」の秘密を探る。キッシンジャー外交の土台を彼の優れた知的資本に見出したことは興味深い。著者は、知的な自信と限りない権力への意志、報道機関との友好的な関係、感動的なレトリック、交渉術、知的な誠実性、幸運を彼の成功の秘訣に挙げた。


金甲植 dunanworld@donga.com