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金煥基とピカソの違いは?

Posted November. 27, 2021 08:35,   

Updated November. 27, 2021 08:35

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韓国美術品の中で最高価格を記録した作品は、2019年、香港クリスティーズオークションで132億ウォンで落札された樹話・金煥基(キム・ファンギ)の2幅の点描画「宇宙5-IV-71#200」(1971年)だ。海外の作家と比較してみよう。パブロ・ピカソの「アルジェの女たち」は、オークション最高価格が2000億ウォンに達する。レオナルド・ダ・ヴィンチの「サルバトール・ムンディ」は、5000億ウォンの落札で世界最高値を記録した。

韓国はピカソが生まれたスペインより経済大国であり、ダヴィンチの国イタリアと似たような経済規模を持っている。文化は経済の鏡だと言われるが、このような違いはなぜ生じるのか。これは世界美術界の構造の影響が大きい。非欧米諸国にとって、近代化は欧米化だった。自国の伝統美術は、古いものとして片づけられた。自然に非欧米諸国の美術史は、多くが欧米美術思潮を順次導入した歴史として記述された。このような文化の一元化現象は、市場にもつながる。今日、世界の美術界で欧米の主要美術館とキュレーターは、一種の認証機関を担当し、メジャーギャラリーとオークション会社は作品を流通させている。欧米の美術界は市場と緊密に連携しており、作家の芸術性、ギャラリーの作品管理、コレクターの基盤がすべて安定的な構造となっている。

一方、周辺国の美術市場は、地域の美術生態系自体がまだ不安定だ。グローバル化によって、欧米の有名作家たちの数億ウォン台の作品に加え、数千万ウォン台の版画まで加わり、非欧米美術市場を食い込んでいることを見てもそうだ。韓国も同じだ。世界10位圏の経済力で、購買力と画廊の規模など、韓国美術市場の基礎体力は向上した。それでも韓国の美術品、特に若い作家たちの作品はあまり売れない。韓国美術の成長性を見て、欧米のメジャー画廊が国内に支店を出したが、韓国作家の発掘ではなく所属作家の作品の販売が優先だ。

毎日のように美術品のオークション価格がニュースになるこの時、本は資本主義とともに歩んできた美術の歴史を振り返って、韓国美術の質的成長のためにしなければならないことを指摘する。経済学と美術史をすべて勉強した著者は、韓国美術史を韓国独自の成就の歴史に書き直すべきだと主張する。


キム・テオン記者 beborn@donga.com