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米国務省、性的マイノリティーに対応し初の性別「X」パスポート発給

米国務省、性的マイノリティーに対応し初の性別「X」パスポート発給

Posted October. 29, 2021 08:54,   

Updated October. 29, 2021 08:54

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米国で、男性と女性以外の第3の性を意味する「X」を記された初のパスポートが発給された。男女どちらか一方を選択しないとする性的マイノリティーのための国務省の措置だ。

米国務省は27日、プライス報道官名義の声明を出し、「X」と記載された初のパスポートを発給し、来年初め、関連システムのアップグレードが終わり次第、すべての申請者に適用することを明らかにした。

国務省は、個人が医療記録を通じて証明しなくても、本人が規定した性別でパスポートを申請できるよう許可した。これまでは出生届と異なる性を記載するには、医療機関の証明書を提出しなければならなかった。

性的マイノリティーの人権を擁護する外交活動を取り仕切るジェシカ・スターン特使は、「今回の措置は以前の『男』と『女』よりも広い性の特徴があるということを政府文書に盛り込むこと」とし、「本当のアイデンティティが反映された証明書を手にする時、人はより大きな尊重を受けて生きていける」と述べた。

国務省は、このパスポートが誰に発給されたのかは明らかにしなかった。しかし、AP通信によると、コロラド州フォートコリンズに住む性的マイノリティー人権活動家のダナ・ジムさん(63)が電話インタビューで、自分が「X記載のパスポート」の発給を受けたと明らかにした。ジムさんは、「私はやっかい者ではなく一人の人間だ」とし、「私の活動の目標は、次世代の『インターセックス』に完全な市民権が認められるよう助けること」と話した。ジムさんは2015年から国務省を相手に性別を男女のどちらかに決めないパスポートの発給を求めて法的闘争を繰り広げた。ジムさんはパスポートを申請し、男か女か記載する欄に「インターセックス」と書き、別途の文書で「X」で性別が記載できるよう求めた。

国務省は6月、性的マイノリティーに対応してパスポート発給の手続きを改正する方針を発表した。パスポート発給のためのコンピュータシステムの変更作業に時間がかかり、4ヵ月後に初めてのパスポートを発給することができた。「X記載パスポート」は、予算管理局の最終承認手続きを残している。米国より先にパスポートに「X」記載を許可した国は、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、ドイツ、ネパールなど11ヵ国だと、AFP通信は伝えた。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com