26日(現地時間)午後、米ニューヨーク・マンハッタンのチェルシー地域のあるスタジオの建物。グリーンの体操服に背番号をつけたニューヨーク市民80人が、バスから降りて建物の中に入った。彼らはネットフリックスの人気ドラマ「イカゲーム」遊びを体験し、優勝者を決めるイベントに参加した人々。韓国観光公社ニューヨーク支社が主催したこのイベントで、参加者は「タルゴナ型抜き」や「めんこ」、「ムクゲの花が咲きました」のゲームをし、勝敗を競った。優勝者1人に韓国行きの往復航空券が贈られるこのイベントに約3110人が応募し、80人が無作為に選ばれた。
10年ほど前に韓国で英語講師として働いたというディラン・ドノバンさんは、「イカゲームは俳優の演技もすばらしいし、『階級』についての話も興味深かった」とし、「レベルの高い韓国映画やドラマが米国で人気を得てうれしい」と話した。参加者のジュリアさんは、「韓国文化にすっかりはまった。映画『パラサイト』も見た。米国の連続ドラマは陳腐で退屈な時があるが、韓国ドラマは創造的で新しい」と評価した。
最初のゲームは、タルゴナを決まった形に抜き取る「タルゴナ型抜き」。受け取ったタルゴナの形を見た参加者から、歓声と嘆声が同時に起こった。彼らは一斉に床にうつ伏せになり、針でタルゴナをかたどり、俳優の李政宰(イ・ジョンジェ)のようになめた。星の模様を抜き取ることに成功した女性ベレンさんは、「ドラマで見た通りなめたら成功した」とし、タルゴナの切れ端を記者に渡した。20代の男性、クリスさんは、制限時間をわずか数十秒残して最も難しい傘の形を抜き取ることに成功した。クリスさんは、「針はほとんど使わず、ただなめた」とし、成功談を興奮した声で伝えた。チーム別対抗戦で行われた「めんこ」が始まると、スタジオはめんこを床にたたきつける音が鳴り響いた。相手のめんこを打つどころか、とんでもないところに飛ばす参加者も多かったが、ドラマとは違って皆の顔は笑顔だった。3分内に鬼に見つからず、決勝ラインを通過しなければならない「ムクゲの花が咲きました」では、参加者たちは集中力を発揮した。イベントの主催側は、ドラマで進行員が着た赤い服を着て、そのうちの1人は「フロントマン」役のために黒いマントを着た。
優勝者は、ニューヨーク・クイーンズ地域に住む男性、チャールズさん。航空券を受け取った彼は、「一日も早く韓国に旅行に行き、文化遺産を見たい。韓国は他の国々のために革新を創造している」と話した。
兪載東 jarrett@donga.com