「平均１３．７歳」の不埒な少女パンクバンドがやってくる

「ただ片方に座っているな／時間の無駄だから…投票せよ！／おまえの権利を行使せよ！」（「Ｖｏｔｅ！」より）

甲高い声で叫ぶ直説的なメッセージ、ジーンとするパンク・ロックサウンド…。昨年９月、米パンクロックバンド「リンダリンダズ」（Ｔｈｅ　Ｌｉｎｄａ　Ｌｉｎｄａｓ）が発表した曲「Ｖｏｔｅ！」は、英セックス・ピストルズの「Ａｎａｒｃｈｙ　ｉｎ　ｔｈｅ　Ｕ．Ｋ．」のように強烈だった。

「当時、米国にはとんでもない大統領がいたのだから、みんなで投票で変えようと話したかっただけです」（エロイーズ、ベースギター）

２０１８年に結成。多人種。平均年齢は１３．７歳。新鮮なパンク・ロック・バンド「リンダリンダズ」のメンバーに、書面インタビューで会った。そうだ。「投票！」という歌を作った人には、いざ選挙権がない。一番年上のベラ（ギター）が１７歳、ドラマーのミラは１１歳だ。しかし、ニューヨークタイムズ、ガーディアンがスポットライトを当て、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのメンバーが絶賛するチームだ。

「プレッシャーなんてありませんでしたよ。私たちはどんな歌でも作れます」（ルシア・ギター）

彼らのもう一つの代表曲は「Ｒａｃｉｓｔ, Ｓｅｘｉｓｔ　Ｂｏｙ」（人種差別者、性差別者の少年）。

「クラスメートが『パパから中国人と遊ばないで』と言われたことを聞きました」（ミラ）

中国系のミラは、言いたいことを歌にすることにした。「パンデミックのためにそれぞれの自宅にこもっていたミラと私が、映像を通じて一緒に歌を作りました。元々のタイトルは『Ｉｄｉｏｔ　Ｂｏｙ』（馬鹿な少年）でしたが、障害者差別になり得るため『Ｒａｃｉｓｔ, Ｓｅｘｉｓｔ　Ｂｏｙ』に変えました」（エロイーズ）

同年代の友人は、ダンスポップやヒップホップにはまっているが、リンダリンダズの英雄は１９９０年代の女性パンク・ロックグループ「ビキニ・キル」だという。

「おばさんがＢＴＳにはまっていて、甥や姪たちも私たちより彼らのことが好きだけど」（ミラ）、「私たちは（韓国のパンクグループ）、スラント（Ｓｌａｎｔ）と小さなパンク・ロッククラブで一緒に公演したいです！」（エロイーズ）

グループ名は、ペ・ドゥナが女子高生パンクロッカー役を主演した２００５年の映画『リンダリンダリンダ』を見て感銘を受けてつけたという。「ペ・ドゥナは最高です。『グエムル－漢江の怪物－』での演技も好きです。彼女が歌う歌が、言葉を超えて私に響きを与えてくれました」（エロイーズ）。

リンダリンダズは１０日夕方、仁川（インチョン）ペンタポート・ロック・フェスティバル（９日と１０日にユーチューブなどで無料生中継）の舞台に立つ。

「今回は遠くから映像で参加しますが、楽しくご覧ください」（ベラ）

「ボリューム上げて!」（ミラ）

「踊ってください！」（ルシア）

「次は必ず直接行って歌います！」（エロイーズ）


イム・ヒユン記者 imi@donga.com