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金軟景フィーバー、出版界にも激震

Posted August. 19, 2021 08:41,   

Updated August. 19, 2021 08:41

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「コートの上では一つだけ考える。『非が是でも勝つ』」。女子バレーボールの金軟景(キム・ヨンギョン=33)の意気込みは揺れたことがない。彼女が2020東京五輪女子バレーボールで見せてくれた闘志は、2017年に出版したエッセイ『まだ終わりじゃない』(カヨン)に書いた意気込みと決意そのままだった。五輪が終わった後、本を読んだ読者の一人は「彼女は中学時代に背が低くて悩んだことがあることは知っていたが、どんな気持ちで当時の障害を乗り越えたのか本を読んで知った。人生と向き合う私の態度をもう改めて考えさせられた」という感想を残した。

オリンピックで劇的な場面を何度も演じ、バレーボールファンに愛された女子バレーボールの試合が終わった後、出版界にバレーボールブームが巻き起こっている。教保(キョボ)文庫によると、金軟景のエッセイが今更猛烈な勢いで売れ、発売から4年となる今年8月第2週にはエッセイ部門のベストセラー4位についた。五輪開幕を前後した25日間を比較してみると、販売本数が61.7倍に増えた。

「努力してできないことに執着するよりも、基本的な実力をしっかり身に着けて、選手としての資質を磨くことに全力を尽くした」「コートの上にいる自分の姿を見ると、誰でも私がどんな練習をして、どう時間を耐えてきたのか分かってもらえると思った」という金軟景の淡々とした告白に読者は深い感銘を受けている。カヨンのキム・ソンヨン代表は、「4年間で計5000冊が売れたが、五輪後の2週間で1万冊以上が売れた」とし、「五輪を視聴してから金さんのことについて知りたいと思う読者が増えたようだ」と話した。

金軟景の人気は、他のバレーボールコンテンツの人気につながっている。最近出版された日本の漫画『ハイキュー!!ファイナルガイドブック排球極!』は、漫画『ハイキュー!!』の一般シリーズではなく番外編として出版された同漫画シリーズ関連のガイドブックだが、出版と同時に教保文庫の8月第2週の総合ベストセラー13位になった。ハイキューは固定ファン層があるが、金軟景が昨年、ユーチューブで漫画をレビューした映像が話題となってさらに人気を盛り返した。教保文庫のキム・ヒョンジョン・ベストセラー担当は、「ユーチューブの映像を見た金さんのファンが漫画のファンに新しく流入している」と説明した。

女子バレーボールのヤン・ヒョジン(32)のインタビューが掲載された『明日のための明日』(創批)も、発売7ヵ月でソーシャルメディア(SNS)で再び注目を集めている。作家のチョン・セラン氏や犯罪心理学者のイ・スジョン氏など女性7人のインタビューをまとめた本だ。ヤン・ヒョジンはインタビューで、同年代の選手に比べ成績が出せなかった時代を思い浮かべ、「他の選手の力量に及ばない場合は、その事実を受け止めて自分にできる範囲で最善を尽くし、その時間を耐えた」と告白した。


チョン・チェウン記者 chan2@donga.com