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注文殺到! 思うがままに夢セット、売り切れ間近です

注文殺到! 思うがままに夢セット、売り切れ間近です

Posted August. 07, 2021 08:41,   

Updated August. 07, 2021 08:43

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「エレベーターが突然上がってきたんです。20階建てのマンションなんですが、100階以上上がるんですよ」

インターネット・コミュニティでこのような書き込みを見て驚いたことがある。記者だけがそんな夢を見たわけではなかったのだ。

ファンタジー小説「ドルグート夢デパート」シリーズは、あらゆる夢を販売するドルグート夢百貨店を中心に展開される。小説はエレベーターの夢や空を飛ぶ夢のように、似たような夢を見る人々がいるという点に着目したような設定を示す。レム睡眠に陥り始めた人々は、夢のデパートを訪ねて夢を買う。人気の夢商品はすぐ品切れになる。同じ夢を毎日買う人もいる。30歳近くになって再入隊する悪夢を買う一風変わった人もいる。

昨年7月に発売された第1編は、主人公のペニーが、入社したばかりの「夢デパート」やデパートの人々、夢の製作者、夢を買う人々に関するエピソードを、くまなく盛り込んでいる。先月出版された第2編は、第1編に登場しなかったデパートの常連客数人のエピソードに深く食い込む。

とある常連客は自分が夢を見ているという事実を自覚して、夢の中のことに関与する「ルシード・ドリーマー」だ。彼は、眠りから覚めると、すべてのことを忘れる一般人とは異なる能力者のようだ。しかし、一方では夢の中の幻想の世界を追う現実逃避者でもある。現実を生きることより夢を見ることの方が幸せだった日を過ごした人たちなら、共感できるエピソードだ。

第1編は、昨年7月に出版されてから先月まで、紙の本だけで57万部以上が売れたベストセラー。第2編も5日現在、教保(キョボ)文庫ベストセラー総合順位で1位となっている。

「夢を売るデパート」の物語だといえば、子供たちのための本だと思われがちだが、本を開いた瞬間、「大人たちのためのヒーリング童話」という世間の評価が心に響く。どんな夢でも、見ている人なら興味津々に読める。もしかすると、私たちは毎日夢のデパートをさまよいながら「今日の夢」を買っているのかもしれない。


孫孝珠 hjson@donga.com