通信線復元から3日で民間支援・訓練延期を取り上げた対北「焦り」
Posted July. 31, 2021 08:44,
Updated July. 31, 2021 08:44
通信線復元から3日で民間支援・訓練延期を取り上げた対北「焦り」.
July. 31, 2021 08:44.
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政府は一昨日、北朝鮮にテレビ会談に向けたシステムづくりのための協議を提案した。翌日には、昨年9月に起きた海洋水産部(海水部)公務員襲撃事件以来全面中断していた民間レベルの対北朝鮮物資搬出の承認を再開し、統一部は「韓米合同軍事演習は延期が望ましい」という立場を発表した。南北間の通信連絡線が復元されて3日後に対北朝鮮支援の道を開き、軍事演習を延期したい意向を明らかにしたのだ。政府が南北間でテレビ会議ができるシステムの構築に乗り出したのは、来月中旬に予定された韓米合同軍事演習に先立ち、北朝鮮を対話に引き込む狙いがあるものとみられる。北朝鮮が反応すれば、久しぶりにつかんだ対話の火種はさらに大きくなるだろうが、北朝鮮はいつものように時間稼ぎをしながら損得を計算する可能性が高い。しかし、このような提案をした翌日に、北朝鮮は返答もしていない中で、政府は人道的支援再開の扉を開いた。対話への焦りがそれだけ大きいと言わざるを得ない。昨年、海水部公務員が北朝鮮軍に殺害された時、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領と南の同胞たちに失望感を与えて申し訳ない」とコメントした。しかし、政府が要求した共同調査には応じていないため、まだ真相究明は行われていない。遺族の痛みも相変わらずだ。当時、事件後に政府が取った措置が、対北朝鮮物資の搬出承認の中止だった。ところが、事件発生10ヵ月ぶりに北朝鮮のさらなる釈明もない中で、いつの間にか原状復帰したのだ。統一部高官は昨日、「米国としても、このチャンスを生かすことが非核化や韓半島平和定着に向けて非常に有益な成果をもたらすだろう」と述べた。北朝鮮が通信線を復元したのだから、合同演習を延期して対話へのモメンタムを設けるべきだという趣旨だろう。北朝鮮の対外メディアが昨日、文大統領を取り上げ、「北南関係がうまくなってもならなくても、それについて全面的に責任を負う姿勢と立場に立たなければならない」と乗じたのも、このような雰囲気と無関係ではないそうだ。しかし、北朝鮮がこれまでしてきたことは、自ら切っていた通信線を復元しただけで、約束した非核化措置どころか、実質的な対話の意志も見せていない。米国が通信線の復元を歓迎しながらも、依然として北朝鮮との対話に慎重な態度を示しているのもこのためだ。非核化対話に進展がない南北交流は意味がないことは、3年前に平昌(ピョンチャン)が残した教訓だ。政府が任期末に焦りを出してしがみついては独りで先走っていては、米国に疑われ、北朝鮮にそっぽを向けられる状況が再現されるのは必至だ。
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政府は一昨日、北朝鮮にテレビ会談に向けたシステムづくりのための協議を提案した。翌日には、昨年9月に起きた海洋水産部(海水部)公務員襲撃事件以来全面中断していた民間レベルの対北朝鮮物資搬出の承認を再開し、統一部は「韓米合同軍事演習は延期が望ましい」という立場を発表した。南北間の通信連絡線が復元されて3日後に対北朝鮮支援の道を開き、軍事演習を延期したい意向を明らかにしたのだ。
政府が南北間でテレビ会議ができるシステムの構築に乗り出したのは、来月中旬に予定された韓米合同軍事演習に先立ち、北朝鮮を対話に引き込む狙いがあるものとみられる。北朝鮮が反応すれば、久しぶりにつかんだ対話の火種はさらに大きくなるだろうが、北朝鮮はいつものように時間稼ぎをしながら損得を計算する可能性が高い。しかし、このような提案をした翌日に、北朝鮮は返答もしていない中で、政府は人道的支援再開の扉を開いた。対話への焦りがそれだけ大きいと言わざるを得ない。
昨年、海水部公務員が北朝鮮軍に殺害された時、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領と南の同胞たちに失望感を与えて申し訳ない」とコメントした。しかし、政府が要求した共同調査には応じていないため、まだ真相究明は行われていない。遺族の痛みも相変わらずだ。当時、事件後に政府が取った措置が、対北朝鮮物資の搬出承認の中止だった。ところが、事件発生10ヵ月ぶりに北朝鮮のさらなる釈明もない中で、いつの間にか原状復帰したのだ。
統一部高官は昨日、「米国としても、このチャンスを生かすことが非核化や韓半島平和定着に向けて非常に有益な成果をもたらすだろう」と述べた。北朝鮮が通信線を復元したのだから、合同演習を延期して対話へのモメンタムを設けるべきだという趣旨だろう。北朝鮮の対外メディアが昨日、文大統領を取り上げ、「北南関係がうまくなってもならなくても、それについて全面的に責任を負う姿勢と立場に立たなければならない」と乗じたのも、このような雰囲気と無関係ではないそうだ。
しかし、北朝鮮がこれまでしてきたことは、自ら切っていた通信線を復元しただけで、約束した非核化措置どころか、実質的な対話の意志も見せていない。米国が通信線の復元を歓迎しながらも、依然として北朝鮮との対話に慎重な態度を示しているのもこのためだ。非核化対話に進展がない南北交流は意味がないことは、3年前に平昌(ピョンチャン)が残した教訓だ。政府が任期末に焦りを出してしがみついては独りで先走っていては、米国に疑われ、北朝鮮にそっぽを向けられる状況が再現されるのは必至だ。
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