英国が55億ポンド(約8兆6千億ウォン)を投じて開発した次世代装甲車「エイジャックス(Ajax)」(写真)が、現場に配備される前にお蔵入りになる危機に直面した。移動時に激しい騒音と振動で搭乗部隊員の聴覚や関節に深刻な損傷を引き起こすことが理由だ。
BBCなどによると、英国防省(MOD)は先月末、エイジャックス運行試験を突然中止した。今年3月、この装甲車の試験作動で、搭乗部隊員が一時的に聴覚を失い、関節に痛みが生じた。内部点検と補完を経て先月、試験運行を再開したが、再び同様の事態が生じた。国防省は、「問題が解決されるまでエイジャックス関連計画を全面中止する」と明らかにした。
エイジャックスは、米防衛大手ゼネラル・ダイナミクス(GD)の英子会社が製造した。先端デジタルシステムを装着し、従来の装甲車より速く正確に周囲を探索し、追跡することができる。1台当たりの価格は約100億ウォンにのぼる。名称は古代ギリシャ神話に出てくるトロイ戦争の英雄「アイアス」から取った。
野党第一党の労働党のジョン・ヒーリー報道担当は、巨額を投じた最新兵器の安全が問題ということは容認できないとし、「血税を浪費した」と批判した。2014年の英政府とGDの契約時から装甲車の設計の欠陥が黙認されたという疑惑も提起されている。一部の議員は、「エイジャックス導入過程全般に対する特別監査を推進しなければならない」と主張している。
金潤鍾 zozo@donga.com